造山古墳群

造山古墳群の紹介

造山古墳群（つくりやまこふんぐん）は、島根県安来市に位置する古墳時代の遺跡群であり、古代の歴史を知る上で非常に重要な地点です。この古墳群は、周囲の他の墳墓群と共に「荒島古墳群（あらしまこふんぐん）」として国の史跡に指定されており、さらに広い範囲を含む荒島墳墓群の一部として認識されています。また、安来市によって「古代出雲王陵の丘」という歴史公園として整備され、多くの訪問者が訪れる文化的な場となっています。

古墳群の構造

造山古墳群には、特に注目すべき古墳が複数存在しています。最も代表的な1号墳は方形で、辺の長さが60メートルある古墳です。この古墳は、古墳時代前期に築造されたものであり、全国的に見てもその規模は最大級です。1936年と1938年には竪穴式石室が発見され、多くの副葬品が出土しました。その中には、三角縁神獣鏡や方格規矩四神鏡、さらには多くの石製品や武器が含まれています。特に1936年12月には、造山古墳として国の史跡に指定されました。

3号墳も見逃せない存在であり、こちらも古墳時代前期に作られた方墳で、長さ38メートル、短さ30メートルというサイズを誇ります。1965年には竪穴式石室からさまざまな出土品が確認されています。この3号墳は、1965年に島根県の指定史跡に昇格しました。また、造山古墳群には全長50メートルの前方後方墳（2号墳）や小型古墳（4号墳）も存在し、これらは6世紀前半頃に築造されたと考えられています。5号墳は比較的離れた場所に位置しており、周辺との関係についての理解が深まることが期待されています。

文化財としての重要性

また、造山古墳群は近隣にある大成古墳（おおなりこふん）とも関連があります。この大成古墳は古墳時代前期に築かれた方墳であり、石棺からは三角縁神獣鏡や素環頭大刀が出土しました。これらの遺物は1911年に見つかり、特に素環頭大刀は刀匠・河内国平によって復元され、現在は安来市立和鋼博物館に展示されています。

史跡の再指定

造山古墳群の重要性は1999年に再確認されました。文化庁によって名称が変更され、追加の史跡がまとめて指定されました。造山古墳群の2号墳から4号墳、大成古墳、塩津山墳墓群に含まれる古墳が「荒島古墳群」として国の史跡に認定され、さらなる保護が進められています。

このように造山古墳群は、古代の歴史や文化を知る上で欠かせない遺跡となっており、訪れる人々に豊かな学びの場を提供しています。今後もその研究や保護が期待されており、さらなる発見が待たれます。

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