逢坂剛

逢坂剛（おうさか ごう）

逢坂剛は1943年11月1日に東京都文京区に生まれ、現在も活躍を続ける日本の小説家であり、特に推理小説の分野で知られています。本名は中浩正で、彼の父は著名な挿絵画家である中一弥です。逢坂は、東京の開成中学校・高等学校を卒業し、1966年に中央大学法学部を卒業した後、博報堂に勤めながら執筆を行いました。約17年間の兼業を経て、1997年に専業作家となるために早期退職し、以降は神田神保町にオフィスを構え、執筆活動を本格化させました。また、2001年から2005年まで日本推理作家協会の理事長も務めました。

影響を受けた音楽とスペインへの思い

若い頃から独学でクラシック・ギターを学び、大学時代には限界を感じていた逢坂ですが、神保町のシャンソン喫茶で聞いたフラメンコギターに心を奪われます。その影響で、1971年にはスペインへ2週間の旅行をし、以降はスペインを舞台にした作品を多く生み出しています。彼のオフィスには複数のギターが置かれていることでも知られ、創作において音楽が果たす役割は大きいと言えるでしょう。

将棋愛好者としての側面

また、逢坂は愛棋家としても有名です。2008年には名人戦七番勝負を観戦しており、将棋界の著名な指導者である米長邦雄とは中央大学の同級生です。将棋に対する愛情は彼の作品にも表れています。

著作活動と受賞歴

彼のデビュー作は1980年に発表された『屠殺者よグラナダに死ね』で、これにより第19回オール讀物推理小説新人賞を受賞しました。その後、『カディスの赤い星』で直木三十五賞をはじめとする数々の文学賞を受賞し、2014年には日本ミステリー文学大賞を、2015年には吉川英治文学賞も獲得しました。2020年には毎日芸術賞も受賞し、その作品は推理小説だけでなく、時代小説やエッセイにも及んでいます。

主な作品シリーズ

逢坂剛の作品には、百舌シリーズや岡坂神策シリーズ、御茶ノ水警察署シリーズなどがあり、特に百舌シリーズはTBSとWOWOWの共同制作によるドラマ『MOZU』として2014年に映像化されています。彼の作品には、地域に馴染んだ内容が多く、東京や神田神保町を舞台にした描写も見受けられます。

おわりに

逢坂剛は多岐にわたるジャンルで執筆し続けている作家であり、彼の作品が持つ魅力は一貫してスリリングなプロットと深い人間描写にあります。これからも彼の作品が、読者に新しい発見をもたらしてくれることでしょう。

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