週刊ファイト

週刊ファイト

『週刊ファイト』は、かつて新大阪新聞社が発行していた週刊のプロレス専門雑誌（タブロイド紙）です。一時休刊しましたが、2015年に電子書籍として復刊しました。

概要

新大阪新聞社時代

1967年に創刊され、2006年に休刊しました。毎週火曜日発行・水曜日発売で、一部売り定価は280円（2006年休刊当時）でした。当初は月2回発行の「旬刊」でしたが、後に月3回の発行となり、1969年10月2日発売の第94号より週刊化されました。

創刊当初から、表紙にカラー印刷を採用し、後年には中面の一部にもカラー印刷ページを導入しました。当初の紙面は、プロレスを中心に、プロボクシング・キックボクシングなどの格闘技、プロ野球などのスポーツ、公営ギャンブル、芸能・風俗情報なども幅広く扱っていました。読み切りの小説や漫画も掲載されていました。

1970年代後半からプロレス以外の分野の情報は徐々に姿を消し、1980年代後半には「プロレス専門紙」として紙面を特化しました。

プロレス報道に関しては、初代編集長である井上義啓の個性が色濃く反映された紙面づくりで知られていました。アントニオ猪木と新日本プロレスを中心に活発な論陣を張り、他誌では書けないようなスキャンダラスな記事を掲載する一方で、プロレスならではのブックやアングルを誇張するような記事も掲載しました。そのため、意図しない記事を掲載されたプロレス団体から取材拒否を通告されることもあったそうです。

井上義啓の記事の書き方は「活字プロレス」と呼ばれ、その後のプロレスマスコミに大きな影響を与えました。ターザン山本（元『週刊プロレス』編集長）や金沢克彦（元『週刊ゴング』編集長）などの名物プロレス記者を輩出しました。

2006年9月27日発売の1990号で休刊し、39年の歴史に幕を下ろしました。公式サイトも同年10月2日にサービスを終了しました。新大阪新聞社は、休刊の理由を「活字メディアの衰退とマット界の沈滞などから読者が減少したため」と説明しました。

一方で、当時副編集長だった波々伯部哲也は、自身の著書で、編集部内で井上譲二編集長が自身を次の編集長に推しており、新大阪新聞社社長もその案に乗って自身に編集長就任を打診してきたが、引き受けを拒んだため編集長を引き受ける人間がいなくなり休刊が決まったと説明しています。

井上義啓は2006年12月13日に亡くなりました。漫画家のいしかわじゅんは、自身のサイトで井上を追悼し、「プロレスは考えて見ろ、という主張を最後まで貫き通した人だった。読むプロレスを最初に提唱した人だった」と述べました。

新大阪新聞社は、夕刊紙「新大阪」を1995年4月に廃刊して以降は『週刊ファイト』の発行が事業のほぼ全てを占めていたため、休刊から4年後の2010年10月31日に会社を清算・解散しました。

電子書籍として復刊

電子書籍ダウンロード販売サービス「ファイト!ミルホンネット」より『週刊マット界舞台裏』が創刊されました。2015年9月17日付より、その『週刊マット界舞台裏』を『週刊ファイト』に改題し「『週刊ファイト』復刊」を宣言しました。

参考文献

波々伯部哲也『「週刊ファイト」とUWF 大阪発・奇跡の専門紙が追った「Uの実像」』双葉社、2016年。ISBN 9784575311112。

外部リンク

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