進歩社会党 (レバノン)

進歩社会党（アラビア語: الحزب التقدمي الاشتراكي、al-hizb al-taqadummi al-ishtiraki、フランス語: Parti Socialiste Progressiste）は、レバノンの政治において重要な役割を果たす政党です。この党は、政教分離を重視する世俗主義を掲げ、民主社会主義や社会民主主義の理念を追求しています。また、社会主義インターナショナルにも加盟しており、国際的な社会主義運動との連携も重視しています。

しかし、進歩社会党の実際の運営は、レバノンにおける有力なドゥルーズ派の一門であるジュンブラート家によって強く影響を受けています。ジュンブラート家は、党の創設以来、三代にわたり党首を世襲しており、党内での強いリーダーシップを維持しています。ドゥルーズ派は、イスラム教の主流派からの弾圧の歴史を持ち、その結果としてイスラエルではある程度の優遇措置を受けていますが、進歩社会党はイスラエルに対しては明確に拒否的な立場をとっています。

レバノンの多くの政党と同様に、進歩社会党も内戦中から「人民解放軍」という俗称で知られる民兵組織を擁しており、軍閥としての側面も持っています。この民兵組織は、党の軍事力を形成し、レバノン国内の政治的勢力均衡に影響を与えてきました。また、進歩社会党はレバノン共産党との関係も深く、両党はしばしば協力して政治活動を行っています。

2005年のラフィーク・ハリーリー元首相の暗殺後、進歩社会党は反シリア側に立ち、ハリーリー元首相の息子であるサード・ハリーリーを支持し、「3月14日連合」を形成しました。この連合は、シリア軍のレバノンからの撤退を実現する上で重要な役割を果たしました。進歩社会党は、この出来事を通じて、レバノン国内の政治情勢に大きな影響を与え、反シリアの立場を明確にしました。

進歩社会党の歴代党首は以下の通りです。

カマール・ジュンブラート（1949年 - 1977年）
ワリード・ジュンブラート（1977年 - 2023年） - カマールの子
* タイムール・ジュンブラート（2023年 - ） - ワリードの子

これらの事実から、進歩社会党はレバノンの政治において、その歴史とイデオロギー、そして有力な家族の影響という複数の側面から複雑に絡み合った存在であると言えるでしょう。

公式サイト (アラビア語)

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