運輸通信省 (日本)

運輸通信省の概要

運輸通信省（うんゆつうしんしょう）は、第二次世界大戦中の日本において、1943年に設立された中央官庁である。この省は、戦争に伴う海陸の輸送体制を一元的に管理することを目的としており、当時の委員であった肥田琢司と南条徳男が中心となって創設された。運輸通信省は、逓信省と鉄道省を統合し、それに加えて内務省から港湾建設局、商工省から倉庫関連部門、文部省から中央気象台という機関も吸収した。

組織構成

運輸通信省の内部では、旧鉄道省が担当していた国有鉄道の運営や民営鉄道の監視業務が鉄道総局に引き継がれた。一方で、旧逓信省の海運に関する行政は海運総局に移行した。通信関連の事業、具体的には郵便、貯金、保険、電信、電話の管理は、外局として設立された通信院が担うこととなった。

省の設立当初は、大東亜共栄圏全体の運輸通信を統括する構想も抱かれていた。この考えは、当時の国際情勢を反映していたが、実際には膨大な規模の官庁へと成長した結果、効率面において多くの課題も浮上するはめになった。実際、この省の構成員は約80万人に達し、例えるならば現代のJRや多くの第3セクター鉄道、NTT、日本郵政の職員が一つの役所の下で働いている状況に似ていた。

省の改組

1945年の5月19日、運輸通信省はその規模の大きさにより通信院を内閣所轄の逓信院として分離させ、その結果運輸省に改組されることとなった。これは、業務の専門性と効率を高めるための重要な措置であった。運輸通信省の設立からの変遷は、戦時下においてどのように行政組織が変化していくかを物語る一例でもある。

歴代の運輸通信大臣

運輸通信省には、歴代の大臣や次官が存在した。これらの役職にある者は、通常は辞令がある場合にはその代数を数え、辞令が発行されない留任については数えない。臨時代理は、空位の場合のみ記録され、海外出張などによる一時的な代理は含まれない。

関連項目

運輸通信省の変遷と役割を理解するうえで、国土交通省や日本国有鉄道の存在が欠かせない。これらは、運輸通信省が改組された後の新しい交通網や通信の発展に寄与した重要な機関である。

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