過去に存在したユニーの店舗

ユニーグループの店舗網は、前身企業である「ほていや」と「西川屋チェン」の合併（1971年）を基盤に発展しました。この記事では、ユニーの新たなロゴマークが制定された1977年以降、およびユーストアとの合併後である2008年8月以降に存在した店舗を中心に、閉鎖された店舗や、改築・改称を経て現在とは異なる形態となった店舗の歴史を振り返ります。

創業期から大型化へ

ユニーの前身である西川屋チェンの1号店は、名古屋市港区に1947年に開店した名港店です。一方、ほていやは呉服店をルーツとし、名古屋市中区大須で1950年に1号店を開業しました。両社は多店舗展開を進め、GMS（総合スーパー）形態の店舗を開発。西川屋は1960年に六番町店で、ほていやは1969年に大曽根ショッピングセンターでそれぞれ初の本格的なGMSを手がけました。特にほていや系店舗は、呉服、衣料、食料品、雑貨などを扱う専門性の異なる複数店舗を近隣に展開するケースが見られました。

地域別の変遷

中部地区はユニーの地盤であり、多くの歴史を持つ店舗が存在します。愛知県では、名古屋市内の名港店や六番町店がユニーの原点として知られます。都心部では、名古屋駅前の生活創庫（後のアピタ）名古屋駅店が約130億円を売り上げた時期もありましたが、競争激化により閉店しました。また、老朽化や建て替えに伴い、今池店やアラタマ店などが減築・改装を経て小型食品スーパー（ラ フーズコアなど）に業態転換した例もあります。尾張地区では、山田鉄工場の跡地に出店したユニー東浦店や、輸送機工業跡地のサンテラス乙川（ピアゴ乙川店）などが挙げられます。西三河では、岡崎市のユニー大樹寺店が後のユーストアの原型となる試験店舗として開業し、後にフィールに建て替えられました。東三河のユニー名豊店は、豊橋駅前の名豊ビルにキーテナントとして入居していましたが、ビル閉館に伴い解体され、再開発が行われています。

岐阜県では、県内初の郊外型大型店としてユーマート豊田元町店（後のサンテラス豊田元町）が開店し、後に大幅改装を経てアピタ豊田元町店となりました。多治見駅前店は駅近くのビルに出店していましたが、クリスタルプラザ多治見に改修されました。近年では、多くのピアゴやアピタがUDリテール運営のMEGAドン・キホーテUNYに業態転換しています（例：アピタ美濃加茂店、ピアゴ可児店など）。

北陸地区では、富山県のユニー高岡店や富山駅前店が中心市街地の顔として営業していましたが、いずれも閉店・解体され、現在は立体駐車場やホテルなどに姿を変えています。石川県では、地元商業者との共同店舗であるミリオンプラザに出店したユニー加賀店が閉鎖後、老人福祉施設となりました。七尾市の再開発ビル「パトリア」に出店したユニー七尾店（2代目）も閉店後、商業フロアは一時閉鎖されましたが、ドン・キホーテなどが出店しています。

関東地区では、東京都心部の生活創庫UNYイースト21店がユニーの都内GMSとして営業しましたが、競争激化により閉店し、ユニー本体のGMSは都内から撤退しました。横浜市のピアゴイセザキ店は、松喜屋から継承した歴史ある店舗でしたが、建替えを経て最終的に閉店し、現在はマンションと店舗の複合ビルが建設中です。神奈川県や埼玉県、茨城県などでは、ユーストアタイプのミニGMSや郊外型アピタが出店しましたが、これらも多くがMEGAドン・キホーテUNYなどへの業態転換の対象となっています。

改築・改称と業態転換

ユニーの店舗は、時代の変化や建物の老朽化に対応するため、度々改築や大規模改装を行ってきました。サンテラス一宮（2代目アピタ一宮店）やサンテラス磐田（ピアゴ磐田店）などは、建て替えにより店舗規模を大幅に拡大し、再開業しています。また、合併以降は、食料品に特化した小型店舗「ピアゴ ラ フーズコア」や、衣料品・住居関連品を縮小した「ピアゴ」への業態転換も進みました。近年は、UDリテールへの店舗移管に伴い、ドン・キホーテとのダブルネーム店舗「MEGAドン・キホーテUNY」や、食品特化型の「食の殿堂ユーストア」、衣料品専門店の「アピタクロージング」など、新たな業態への転換が全国各地で進んでいます。

このように、ユニーグループの店舗は、創業から現在に至るまで、経済状況や消費者ニーズの変化に応じ、様々な形で姿を変えてきました。多くの店舗がその役割を終えたり、新たな形態に転換したりする中で、それぞれの地域における商業史の一章を築いています。

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