道の駅望羊中山

道の駅 望羊中山

概要

道の駅望羊中山（みちのえき ぼうようなかやま）は、北海道虻田郡喜茂別町に位置する、国道230号沿いの道の駅です。中山峠の頂上に設けられており、札幌市との境界付近にその立地を占めています。この場所からは雄大な羊蹄山を眼下に収めることができ、その景観の良さから「望羊」の名を冠しています。ドライブ途中の休憩地として多くの利用客があり、特に名物として知られる「あげいも」は、揚げたての温かいものが販売されており、人気を集めています。

歴史と沿革

望羊中山の歴史は、道の駅として登録される以前に遡ります。その前身は、1965年（昭和40年）に開設された「中山峠キャンプ村」の関連施設であり、具体的には中山峠健民センターの国民宿舎「中山荘」や物産館などが含まれます。翌1966年（昭和41年）には、道立中山峠ユースホステルも整備されましたが、こちらは1997年（平成9年）に閉鎖されています。施設の拡充は続き、1983年（昭和58年）には拡張工事が実施され、装いを新たにした「中山峠健民センター物産館」や「中山峠高原ホテル」が開業しました。ただし、この高原ホテルは現在休業中です。

現在の「道の駅」としての登録は、1993年（平成5年）に、既存の中山峠健民センター物産館が登録されたことによって始まりました。

道の駅登録後、運営主体の変遷による複雑な経緯をたどります。1999年（平成11年）には、それまで町営であった運営が、民間企業である株式会社喜茂別へ引き継がれました。しかし、その後の2001年（平成13年）、株式会社喜茂別の筆頭株主であった岩倉土地開発が経営破綻します。これに伴い、株式会社喜茂別は施設賃料などの滞納を始めました。事態を重く見た町は、2002年（平成14年）に株式会社喜茂別に対し、施設の明け渡しと未納賃料の支払いを求める訴訟を札幌地方裁判所に提起しました。同年に下された判決では、町の主張が認められ、施設の明け渡しと約1億3千万円に上る未納賃料などの支払いが命じられました。この裁判の影響もあり、道の駅の営業は不安定な状況に陥ります。最終的に、2003年（平成15年）に株式会社喜茂別は自己破産手続きに入り、物産館は一時閉鎖を余儀なくされました。その後、施設の運営は加森観光が受託することとなり、営業が再開されました。

その他、主な出来事としては以下のものがあります。

1994年（平成6年）：中山峠観光トイレ「森のしずく」が設置される。
1995年（平成7年）：中山峠観光トイレが日本トイレ協会により「グッドトイレ10」の一つに選ばれる。
2000年（平成12年）：中山峠森の美術館が開館（2005年に中山峠写真の森美術館、2011年に再び中山峠森の美術館と改称・リニューアルを経て、2017年に閉館）。
2012年（平成24年）：中山峠で発生した土砂崩れのため、臨時休館。
2013年（平成25年）：施設内で火災が発生し、また中山峠での土砂崩れもあり、一時休業。
2023年（令和5年）：売店「峠のおみやげ・コンビニ」が「北海道プロデュース230」として改装される。

施設概要

敷地内には、歴史的な背景や地域の象徴を示すいくつかのモニュメントが設けられています。旧本願寺街道に関連する石碑や、現如上人に捧げられた銅像「現如上人之像」が見られます。また、喜茂別町などが建立した、アスパラガス栽培の発祥の地を記念する石碑「アスパラガス発祥の地」碑（1965年建立）や「アスパラの塔」（1989年設置）も点在しています。

休憩や飲食、情報提供のための施設としては、改修された売店「北海道プロデュース230」をはじめ、テイクアウトコーナー、レストラン「味処 四季彩」があります。また、景観を楽しむためのパノラマ展望台も設置されています。利便施設として、公衆電話（2台）、AED、Wi-Fiも利用可能です。

駐車場は、普通車190台、大型車12台、身障者用7台分のスペースが確保されています。

トイレ設備は充実しており、男性用は大10器（うち1器が24時間利用可）、小21器（うち3器が24時間利用可）、女性用は32器（うち2器が24時間利用可）、身障者用は3器（うち1器が24時間利用可）が備えられています。

周辺情報とアクセス

道の駅が位置する国道230号を挟んだ向かい側には、「中山峠 峠の茶屋」や道南バスの「中山峠」バス停、「中山峠」の碑などがあります。冬期には、近隣の中山峠スキー場が賑わいます。

主要都市からのアクセスは良好で、札幌市中心部からは車で約60分、小樽市からは車で約75分、新千歳空港からは車で約90分程度の所要時間です。国道230号の交通の要衝として、重要な役割を担っています。

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