江差線

江差線について

江差線（えさしせん）は、かつて北海道の函館市と檜山郡江差町を結んでいた北海道旅客鉄道（JR北海道）の鉄道路線です。この路線は地方交通線として位置づけられ、函館市の五稜郭駅から江差町の江差駅まで運行されていました。全区間がJR北海道函館支社の管轄で、特に函館と江差間の輸送において重要な役割を果たしていました。

廃止の経緯

2014年5月12日、木古内駅 - 江差駅間が廃止され、その後も五稜郭駅 - 木古内駅間の運行が続いていましたが、北海道新幹線の新青森駅 - 新函館北斗駅間の開業に伴い、2016年3月26日に残る路線も第三セクターの道南いさりび鉄道に経営が移管されました。これにより、江差線は地方交通線として初めて第三セクター化されたケースとなります。以降、五稜郭駅 - 木古内駅間は「道南いさりび鉄道線」として運行されています。

路線データ

江差線の路線距離は、木古内駅から江差駅までの区間が42.1km、五稜郭駅から木古内駅までの区間が37.8kmでした。駅数は全区間で23駅あり、その中には旅客駅が22駅、貨物駅が1駅存在しました。また、全線単線で、最高速度は区間によって異なりましたが、五稜郭駅 - 木古内駅の間では100 km/h、木古内駅 - 江差駅間では65 km/hと設定されていました。電化区間は交流20,000Vが適用され、閉塞方式は単線自動閉塞式でした。

歴史

江差線の歴史は1909年に始まります。この年、函館区の有志が鉄道院に布設を請願し、1913年には上磯軽便線として五稜郭駅 - 上磯駅間が開業しました。その後、1936年に江差駅までの延長が完了し、正式に江差線として認定されました。沿線では檜山の木材や海産物の輸送が行われ、地域住民の重要な交通手段として親しまれました。

1988年の海峡線開業時には、青函トンネルの接続路線として大規模な改良が実施され、地元輸送だけでなく、北海道と本州を結ぶ重要な貨物輸送ルートとしても機能しました。しかし、木古内駅 - 江差駅間の利用者数は減少し、最終的には廃止に至ったのです。

運行形態

江差線では、旅客輸送として急行「えさし」が運行されていました。この列車は、函館駅と江差駅を結ぶ重要なサービスとして利用されていましたが、1980年に廃止されるなど、路線の衰退と共に運行形態も変化しました。昨今の交通状況を考慮すると、バスによる代替輸送が行われているため、より効率的な輸送手段へと移行しています。

現在の状況

現在、江差線の木古内駅 - 江差駅間を廃止したことにより、道南バスが代わりに運行されています。この路線は地域の公共交通として重要な役割を果たし続けています。それに伴い、廃止された鉄道部分も地域住民のニーズに応じたサービスを提供しており、江差線の歴史を知るための貴重なリソースともなっています。

江差線は北海道の交通史において重要な存在であり、その変遷を通じて地域交通の変化と旅客のニーズがどのように進化してきたかを示す良い例と言えます。

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