遠国

遠国とは

遠国（おんごく、えんごく）とは、古代日本の律令制における国の分類のひとつであり、特に畿内からの距離によって区分される地域を示します。律令国は、古代日本における地方行政の単位として、政治的機能を果たしていました。そのため、国を距離的な観点から分類することが重要でした。

遠国の定義

遠国とは、本来「遠い場所に位置する国」という意味合いを持ち、近国や中国と対比される形で分類されます。日本の律令制度では、国はおおよそ三つのカテゴリに整理されていました。それは「近国」「中国」「遠国」の三つです。この中で、遠国が最も多くの国を含むカテゴリーとなっていました。

遠国の特徴

遠国は、主に畿内（現代の京都や大阪を含む地域）から遠く離れた地域に位置する国々を指します。この分類は、律令制における国の行政や、国司の派遣などに大きな影響を与えていました。地方行政を円滑に行うためには、地理的な要因が重要であり、その結果、各国の位置は政治的な意味合いを持つこととなります。

遠国に分類される国々

遠国に含まれる地域には、多様な国があります。以下に、遠国として位置づけられる主な国のリストを示します。

東海道

• - 相模国
• - 武蔵国
• - 安房国
• - 上総国
• - 下総国
• - 常陸国

東山道

• - 上野国
• - 下野国
• - 出羽国
• - 陸奥国

北陸道

• - 越後国
• - 佐渡国

南海道

• - 伊予国
• - 土佐国

山陽道

• - 安芸国
• - 周防国
• - 長門国

山陰道

• - 石見国
• - 隠岐国

西海道

• - 筑前国
• - 筑後国
• - 豊前国
• - 豊後国
• - 肥前国
• - 肥後国
• - 日向国
• - 大隅国
• - 薩摩国
• - 壱岐国
• - 対馬国

まとめ

このように、遠国は古代日本において特定の意味を持つ国の集まりであり、そこに住む人々や文化に深い影響を与えてきました。国がどのように分類され、行政がどのように行われていたのかを理解することで、古代日本の歴史や文化をより深く把握する手助けとなります。また、遠国に関連する他の制度や文書、国司や延喜式といった関連項目についても、興味を持って学ぶことが大切です。

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