遠山友将

遠山友将

遠山友将（とおやま ともまさ）は、江戸時代中期に美濃苗木藩の第6代藩主を務めた人物です。正徳5年（1715年）に苗木城で生まれ、わずか18歳でその生涯を閉じました。彼の短い人生の中で、藩主として様々な役割を担い、苗木藩の歴史に名を刻んでいます。

生涯

若き日の誕生と家督相続

正徳5年9月9日（1715年10月6日）、友将は苗木城で誕生しました。幼くして父を亡くし、享保7年（1722年）6月15日に家督を相続して苗木藩主となりました。しかし、父の遺言により、叔父の遠山友央に美濃国加茂郡内の500石を分知したため、苗木藩の石高は1万21石5斗2升となりました。この分知は、藩の財政に影響を与えたと考えられます。

藩主としての活動

藩主となった友将は、藩政の安定化に努めました。享保8年（1723年）3月には、御家御条目二十一ヶ条を公布し、藩内の身分秩序の維持と質素倹約を奨励しました。これは、藩内の綱紀を正し、財政を立て直すための政策であったと考えられます。

享保10年（1725年）8月15日には、将軍・徳川吉宗に御目見えし、幕府との関係を深めました。また、享保12年（1727年）12月18日には、従五位下に叙任され、豊前守を称しました。これは、藩主としての地位が確立したことを示すものでしょう。

初めての帰城と役職

享保14年（1729年）3月15日、友将は藩主となって初めて苗木城へ帰城しました。その後、幸橋御門番、日比谷御門番、駿府加番などを歴任し、幕府の要職を担いました。これらの役職は、藩主としての経験を積み、藩政を円滑に進めるための重要な役割であったと考えられます。

若すぎる死

享保17年閏5月21日（1732年7月12日）、友将は江戸で亡くなりました。享年わずか18歳という若さでした。未婚で嗣子がいなかったため、苗木藩主は分家して旗本となっていた叔父の遠山友央が継ぐこととなりました。友将の死は、苗木藩にとって大きな痛手であり、その後の藩政に影響を与えたと考えられます。

墓所

友将の墓所は、中津川市苗木の苗木遠山家廟所にあります。現在も、彼の短い生涯を偲ぶ人々が訪れています。

遠山友将の人物像

遠山友将は、若くして藩主となり、藩政の安定化に尽力した人物でした。彼の短い生涯は、苗木藩の歴史において重要な一ページを刻んでいます。藩主としての活動期間は短かったものの、彼の業績は後の藩政に大きな影響を与えたと考えられます。

参考文献

『苗木藩政史研究』　第一章　苗木藩の成立　第一節　苗木藩の成立事情　二　歴代藩主の素描　六代豊前守友将　p12～p13　後藤時男　中津川市　1982年
『中津川市史　中巻Ⅰ』　第五編 近世（一） 第一章 支配体制と村のしくみ　第三節　領主の略系譜　一　遠山家　遠山豊前守友将　p47　中津川市　1988年
『恵那郡史』　第七篇　江戸時代　(近世「領主時代」)　第二十八章　諸藩分治　其二　苗木藩距江戸　遠山友将　p234～p235　恵那郡教育会　1926年
『福岡町史　通史編 下巻』　第五部 近世　第一章　近世における苗木藩の概観　第一節 苗木藩成立と領村支配　苗木遠山氏と藩主　p1～p8　福岡町　1992年

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