遠山友央

遠山友央（とおやま ともなか）

遠山友央は、江戸時代中期に美濃苗木藩の第7代藩主を務めた人物です。宝永2年（1705年）に苗木城で生まれました。

生涯

兄である遠山友由が亡くなった際、その遺言により、友央は美濃国内で500石を分与され、旗本として幕府に仕えることになりました。しかし、その後、甥である遠山友将が亡くなったため、末期養子として苗木藩主の座を継ぐことになります。

藩主となった友央は、まず旗本時代に分与されていた500石を幕府に返上しました。これにより、苗木藩の表高は1万21石となりました。この500石の返上が、後に藩の財政を圧迫することになります。返上した500石は、飛騨に近い加茂郡佐見村の4村であり、幕府の支配下となりました。

友央は藩主として、領民の衣類制限を緩和するなど、倹約令を一部緩和しました。しかし、病弱であったため、藩政において特筆すべき功績は残していません。

しかし、幕府への対応のまずさから、江戸家老の大脇権右衛門が失脚するなど、藩内では混乱も見られました。また、幕府に返上した500石は、苗木藩にとって大きな痛手となりました。

友央は、常陸府中藩主の松平頼明の三男、越之進を養子に迎え、自身の娘である俊と結婚させました。その後、次男の佐吉が生まれましたが、佐吉は後に養子の友明の順養子となります。

友央は、藩主として江戸城へ参府し、日比谷御門番や常盤橋御門番を務めました。その後、養子の越之進（後の遠山友明）に藩主の座を譲り、隠居生活に入りました。

隠居後、娘の俊が16歳で亡くなり、江戸で葬られました。その後、高山陣屋の飛騨郡代が交代した際、佐見村の件で問題が起こり、下野村から290石を幕府に渡すことになります。その結果、佐見村内の新田分の290石が苗木藩に戻りました。

養子の友明が亡くなった後、次男の佐吉が苗木藩主を継ぎました。友央は、明和9年（1772年）に恵那郡福岡村の栗本温泉で療養中に68歳で亡くなりました。墓所は岐阜県中津川市苗木の苗木遠山家廟所です。

人物

遠山友央は、病弱でありながらも藩政を担い、領民の負担軽減に努めました。しかし、財政難や幕府との関係など、様々な問題に直面し、苦労した人物でもありました。

参考文献

『苗木藩政史研究』　第一章　苗木藩の成立　第一節　苗木藩の成立事情　二　歴代藩主の素描　遠山和泉守友央　p13　後藤時男　中津川市　1982年
『中津川市史　中巻Ⅰ』　第五編 近世（一） 第一章 支配体制と村のしくみ　第三節　領主の略系譜　一　遠山家　七代和泉守友央　p48　中津川市　1988年　
『恵那郡史』　第七篇　江戸時代　(近世「領主時代」)　第二十八章　諸藩分治　其二　苗木藩距江戸　遠山友央　p235　恵那郡教育会　1926年　
『福岡町史　通史編 下巻』　第五部 近世　第一章　近世における苗木藩の概観　第一節 苗木藩成立と領村支配　苗木遠山氏と藩主　p1～p8　福岡町　1992年

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