遠山登

遠山登（とおやま のぼり）

遠山登は、1889年（明治22年）9月18日に生まれ、1981年（昭和56年）6月15日に没した、日本の陸軍軍人です。最終階級は陸軍中将で、第71師団長を務めました。

生い立ちと初期の軍歴

遠山登は、千葉県出身です。1911年（明治44年）5月、陸軍士官学校（23期）を卒業し、同年12月26日に歩兵少尉に任官されました。その後、1924年（大正13年）11月には陸軍大学校（第36期）を卒業し、着実に軍人としてのキャリアを積んでいきました。

日中戦争への従軍

1936年（昭和11年）8月1日に陸軍歩兵大佐に昇進し、1937年（昭和12年）3月には歩兵第50連隊長に任命され、日中戦争に出征しました。徐州会戦など、激戦地を転戦し、その指揮能力を発揮しました。

要塞司令官、そして旅団長へ

1939年（昭和14年）1月、羅津要塞司令官に転任し、同年5月19日に陸軍少将に進級しました。同年11月には、歩兵第24旅団長として満州に赴任し、1941年（昭和16年）3月には第24歩兵団長に就任しました。これらの役職を通じて、遠山は満州における軍事作戦の遂行に貢献しました。

第71師団長として

1942年（昭和17年）4月1日、陸軍中将に進み、新設された第71師団の師団長に親補されました。1945年（昭和20年）1月、第71師団は第10方面軍に転用され台湾に派遣され、遠山は台南で終戦を迎えました。太平洋戦争末期の激戦の中、師団を率い、その責任を全うしました。

戦後

1947年（昭和22年）11月28日、遠山は公職追放仮指定を受け、戦後の混乱期を過ごしました。その後、1981年6月、脳血栓のため岡山市の旭ヶ丘病院で亡くなりました。

栄典

遠山は、その軍功により以下の栄典を授与されています。

1942年（昭和17年）5月15日 - 従四位
功三級金鵄勲章
1940年（昭和15年）8月15日 - 紀元二千六百年祝典記念章
1942年（昭和17年）7月8日 - 勲一等瑞宝章
1945年（昭和20年）4月18日 - 勲一等旭日大綬章

著作

遠山は、軍事に関する著作の翻訳も手掛けており、以下のような訳書があります。

ロールベツク著『世界戦争ノ経験ニ基ク戦術 上巻』偕行社本部、1920年。

親族

義弟に、同じく陸軍軍人である柴山兼四郎（陸軍中将）がいます。

まとめ

遠山登は、明治から昭和にかけて激動の時代を生き抜いた陸軍軍人であり、その生涯は日本の軍事史を語る上で欠かせない存在です。陸軍士官学校から陸軍大学校を経て、日中戦争、そして太平洋戦争と、数々の戦場を経験し、最終的には陸軍中将にまで昇進しました。その功績と、軍人としての責任を全うした姿勢は、後世に語り継がれるべきでしょう。

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