遠藤信博

遠藤信博

遠藤 信博（えんどう のぶひろ、[1953年]]11月8日 - ）は、日本の実業家、技術者であり、工学博士の学位を持つ人物です。日本電気]において[[代表取締役社長、同社代表取締役会長を歴任し、そのほか日本経済団体連合会副会長、経済同友会副代表幹事、電子情報技術産業協会会長、情報通信ネットワーク産業協会会長など、数々の要職を歴任しました。

人物・経歴

神奈川県大磯町に生まれた遠藤氏は、神奈川県立平塚江南高等学校を経て、1976年に東京工業大学（現在の東京科学大学）工学部電子工学科を卒業しました。大学では末武國弘教授から電磁気学、関口利男教授から電波工学を学びました。1981年には同大学大学院理工学研究科博士課程を修了し、工学博士号を取得。大学院では関口利男・後藤尚久研究室で安藤真教授の指導を受けました。また、1年先輩には渡邉文夫元KDDI研究所代表取締役会長がいました。

1981年、遠藤氏は日本電気（NEC）に入社し、長年にわたり同社のモバイルネットワーク事業に携わりました。1995年にはマイクロ波衛星通信事業部第三開発部担当部長に就任、1997年にはNEC Technologies（UK）Ltd.（イギリス）に出向しました。帰国後は、モバイルワイヤレス事業本部モバイル・ワイヤレス基盤開発本部第三開発部長（2000年）、モバイルネットワーク事業本部モバイルワイヤレス事業部長（2003年）、モバイルネットワーク事業本部副事業本部長（2005年）を経て、2006年には執行役員モバイルネットワーク事業本部長に就任しました。

モバイルワイヤレス事業部長時代には、マイクロ波通信システム「パソリンク」の拡販を主導し、世界トップのシェアを獲得しました。

2009年には取締役執行役員常務に昇進し、2010年には代表取締役執行役員社長に就任しました。当時、日本電気は2008年度に3000億円近い赤字を計上し、リストラを実施する状況下にありました。遠藤氏は、社業再建という重責を担うことになりました。

社長就任後、遠藤氏はパソコン事業をレノボとの合弁会社に切り替え、同時にクラウドコンピューティングやスマートグリッドといった分野での新たな事業創出を目指しました。これらの施策により、2012年度（2013年3月期）には売上高4兆円、営業利益2000億円を達成するという中期経営計画を策定しました。しかし、2012年1月には中期経営計画の達成が困難となり、再度リストラを発表せざるを得なくなりました。2013年にはスマートフォン事業からの撤退を決定し、同年には社会ソリューション事業を新たな事業の柱とすることを打ち出しました。これらの事業構造の転換により、就任直前には1.4%だった営業利益率を2014年度には4.4%まで回復させました。

2016年4月1日には社長を退任し、代表取締役会長に就任しました。2019年6月には代表権のない会長に変わり、2022年6月には特別顧問に就任。同年に日本経済団体連合会副会長に就任しました。

社外での役職としては、東京医科歯科大学経営協議会学外委員、情報処理推進機構産業サイバーセキュリティセンター長、東京大学経営協議会学外委員、経済同友会副代表幹事、情報通信ネットワーク産業協会会長、電子情報技術産業協会会長などを歴任しました。

この他にも、かんぽ生命保険、日本取引所グループ、セイコーホールディングス、東京海上ホールディングス、大日本住友製薬、住友ファーマ、日清製粉グループ本社、キッコーマンで取締役を務めるなど、幅広い分野で活躍しました。

遠藤氏は、NECの経営再建に尽力しただけでなく、日本の経済界にも多大な貢献をした人物として、その功績は広く知られています。

もう一度検索