関口利男

関口利男（せきぐち としお、1923年9月21日 - 2008年11月17日）は、日本の電気工学者であり、東京工業大学の名誉教授としてその名を知られています。彼は、多賀工業専門学校、桐生高等工業学校を経て、1949年に東京工業大学電気工学科を卒業しました。その後、1957年には東京工業大学で工学博士の学位を取得し、研究者としての道を歩み始めました。

関口利男は、東京工業大学工学部電気・電子工学科の教授として長年教鞭を執り、多くの学生を育成しました。また、武蔵工業大学工学部電子通信工学科の教授も務め、幅広い分野で教育に貢献しました。1980年には東京工業大学工学部長に就任し、大学運営にも携わりました。1983年には東京工業高等専門学校の校長に就任し、高等専門教育の発展にも尽力しました。1989年には電子情報通信学会の編集長を務め、学会の発展にも貢献しました。

これらの功績が認められ、関口利男は正四位の位階を授与され、1997年には勲三等旭日中綬章を受章しました。彼の研究室からは、安藤真東京工業大学名誉教授や遠藤信博日本電気代表取締役会長など、多くの優れた人材が輩出されました。これは、関口利男の教育者としての才能と、指導力の高さを物語っています。

関口利男の研究分野は多岐にわたり、特に電波工学における業績は高く評価されています。彼は、マイクロ波アンテナ、電子通信と数学、電波工学、電磁波、場の工学などに関する著書を多数執筆しており、これらの著書は多くの研究者や学生にとって重要な参考資料となっています。主な著書としては、『マイクロ波アンテナ』（森田清、河津祐元と共著）、『電子・通信と数学：その二、三の話題』（岸源也と共著）、『電波工学』（榎本肇と共著）、『電磁波』、『場の工学：エンジニアリング・サイエンス講座 12』などがあります。

関口利男は、2008年11月17日に急性心筋梗塞のため85歳で亡くなりましたが、彼の業績と教育への貢献は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。彼の残した研究成果や教育理念は、日本の電気工学の発展に大きく貢献し、その精神は後世に受け継がれていくでしょう。

関口利男の生涯は、教育者、研究者として日本の電気工学の発展に尽くした、まさに偉大な功績といえるでしょう。

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