遠藤夏輝

遠藤夏輝は、1955年7月15日に千葉県館山市で生まれ、後に東京都練馬区で育ちました。日本工業大学付属東京工業高等学校（現・日本工業大学駒場高等学校）を卒業後、その波乱に満ちた人生をスタートさせます。

中学時代から不良の道に入り、練馬区の不良グループ「練馬グループ」に所属。その後、神奈川県の相模原市立大野南中学校に転校しましたが、不良としての活動は続きました。高校に進学すると、そのカリスマ性から全校生徒3000人の総番長に。真面目な生徒からも信頼され、生活指導課の先生の推薦で風紀委員長を務めるという異例の経歴を持ちます。

高校卒業後、遠藤は自動車免許を取得し、マツダ・サバンナGTを手に入れます。そして、調布市を拠点とする暴走族チーム「ROUTE 20 CHOFU」（後に「ROUTE 20 CAR CLUB」に改名）に加入し、一年後には五代目リーダーに就任。当時、原宿で活動していた「クールス」に対して敵対心を燃やし、約300人のメンバーとともに潰しに行こうとしましたが、目の前に現れたクールスの存在に衝撃を受け、自身のチームを引退することを決意します。

1976年5月16日、遠藤は三代目さが結成した「CRS連合」を再結成させ、暴走族としての活動に終止符を打ちました。その後、バイクチーム「BAD ANGELS」を結成し、クールスの弟分として原宿・表参道で活動を開始し、赤いクールスと呼ばれるようになります。しかし、今度はBAD ANGELSが他の暴走族から狙われるようになり、一触即発の状態になります。しかし、各チームのリーダーたちと顔見知りであったことから、衝突は回避されます。この出来事がきっかけとなり、暴走族が原宿に集まるようになり、日曜日になると表参道が暴走族で埋め尽くされる事態に。結果として、行政が1977年から表参道を歩行者天国にするという対策を取ることになります。

遠藤は、後のインタビューで「クールスの存在があったから原宿で活動した。その結果、表参道は歩行者天国になった。巨大な暴走族チームをも超越したクールスの存在は大きく、クールスが時代を動かした。」と語っています。BAD ANGELS時代には、舘ひろし、岩城滉一と親交を深め、クールスのメンバーたちと行動を共にしていました。クールスから舘ひろしが脱退する際の最後の渋谷公会堂でのコンサートでは、BAD ANGELSがステージ上でのガードを担当しました。

BAD ANGELS解散後、遠藤は雑誌の編集者として活動し、2002年に『実録・北陸やくざ戦争』で脚本家デビューを果たしました。2007年には、処女作となる小説『原宿ブルースカイヘブン』を世界[[文化社]]から出版。1970年代の不良文化を体験した人物であり、その経験を活かして作家活動を行っています。

遠藤の主な作品には、書籍『原宿ブルースカイヘブン』『東京不良少年伝説』『原宿バッド・エンジェルス』などがあります。また、脚本家としては、数々の実録系映画やVシネマに携わり、『実録・北陸やくざ戦争』、『実録・名古屋やくざ戦争』、『実録・暴走族シリーズ』など、多数の作品を手掛けています。近年では、漫画の新聞・マンガで読むニュース「遠藤夏輝のちょっと一言！」や、BSスカパーの「ダラケ! 〜お金を払ってでも見たいクイズ〜」にも出演しています。

遠藤夏輝は、不良から作家へと転身した異色の経歴を持ち、自身の経験を基にした作品を通じて、1970年代の不良文化を後世に伝えています。

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