遠藤太津朗

遠藤太津朗について

遠藤太津朗（えんどう たつお、1928年1月30日 - 2012年7月7日）は、京都府京都市出身の日本の俳優で、本名は遠藤辰雄です。1973年まで本名で活動していました。彼は時代劇『銭形平次』やテレビドラマ『京都殺人案内』などでその名を広めました。

幼少期と学び舎

京都市下京区に生まれた遠藤は、製菓製造機の製造・販売業を営んでいた家族の一員として育ちました。彼は二男五女の長男であり、市立商務学校（現・京都市立松原中学校）を卒業後、家業を手伝いながら私立烏丸工業高校機械科の夜間部に通いました。少年期から映画に対する情熱が強く、友人に誘われて地元青年会の演劇部に参加したことが彼の演劇の道への第一歩でした。

しかし、家業の手伝いをしながら演劇活動を続けたことで、彼は一時的に家族から勘当される事態に陥ります。それでも、彼は新劇団に参加し、演劇に没頭しました。

俳優としての道

1955年、遠藤は新[[東宝]]ニューフェイス第4期に選ばれ、多くの先輩や仲間とともに映画業界への道を開くことができました。彼の初期の出演作品には『阿修羅三剣士』や『姑娘と五人の突撃兵』などがあります。並行して京都で新劇公演にも参加し、演技力を磨いていきました。1973年まで本名で活動し、その後は「遠藤太津朗」の名で広く知られるようになりました。

彼が俳優業を本業にするまでには、運転手や沖仲仕などでの肉体労働をしながら生計を立てるという困難な時期が続きましたが、1960年代に入るとその独特の風貌と堅実な演技力により、テレビや映画出演が増え、223本という多くの作品に関わることになりました。

代表的な役柄

遠藤は多くの作品の中でも特に悪役として知られており、時代劇『銭形平次』では、藤尾純から平次の敵である岡っ引きの三輪の万七を引き継ぎ、「万七親分」として視聴者に親しまれました。彼は悪代官や悪徳商人といった役を数多く演じ、特に新選組局長・芹沢鴨の役で悪役像を定着させました。

現代劇ではテレビドラマ『京都殺人案内』での秋山捜査第一課長として知名度を誇り、1984年には『家族ゲームII』での役柄で新たな魅力を発揮しました。彼の演技は、何気ないリアルさと茶目っ気を持ち合わせており、多くの視聴者に深い印象を残しました。

受賞歴

遠藤は1971年に京都市民映画祭助演男優賞、1978年には同映画祭特別功労賞を受賞するなど、彼の演技力と独自のキャラクターは高く評価されました。

私生活

プライベートでは、遠藤は非常に温厚で酒好きな人柄でした。若手俳優やスタッフと共に酒を酌み交わし、演技や人生について語り合うことが多かったようです。1951年には結婚し、二男の父親としても知られる愛妻家でした。

晩年と遺作

2012年7月7日、心筋梗塞により84歳でこの世を去りました。彼の最後の出演作は、友人の藤田まことと共演していた『京都殺人案内』の第32作（2010年放送）でした。晩年は藤田の死に深い悲しみを感じ、俳優活動を断念し静かな生活を送っていたと言われています。このように、遠藤太津朗はジャンルを超えた多才な俳優であり、日本の映画・テレビ界において重要な存在であったことがわかります。

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