遠藤明範

遠藤明範：アニメ、小説、漫画を跨ぐ創作の軌跡

遠藤明範氏は、1959年生まれの脚本家、小説家です。神奈川県出身で、同志社大学文学部心理学科卒業という経歴を持ちます。旧ペンネームは遠藤明吾として活動していました。

氏のキャリアはアニメーション作品から始まりました。数々の代表作を手掛け、日本のアニメ史に大きな足跡を残しています。『機動戦士Ζガンダム』、『ミスター味っ子』といったTVシリーズから、『銀河英雄伝説』、『創竜伝』などのOVA作品、『ファイブスター物語』、『はじまりの冒険者たち レジェンド・オブ・クリスタニア』といった劇場版アニメまで、その活躍は多岐に渡ります。これらの作品において、彼は物語の骨格となる脚本や原案を担い、世界観の構築に大きく貢献しました。緻密な心理描写と、時代背景を巧みに織り交ぜたストーリーテリングは、多くの視聴者の心を捉え、高い評価を得ています。

アニメーション作品のみならず、小説分野でも顕著な実績を残しています。代表的な作品として『成層圏ファイター』シリーズや『シャドーハンター』シリーズといったオリジナル作品に加え、『3×3 EYES』や『電脳都市OEDO808』、『攻殻機動隊』といった人気作品のノベライズも手掛けています。ノベライズでは、原作の世界観を忠実に再現しつつ、独自の解釈を加え、新たな魅力を生み出すことに成功しています。また、独自の世界観を持つオリジナル作品においては、緻密な世界設定と、登場人物たちの内面描写によって、読者の想像力を掻き立て、没入感の高い物語を作り上げています。

近年では、漫画原作にも進出しています。2009年から2010年にかけて連載された『幕末めだか組』（作画：神宮寺一）は、幕末を舞台に、新しい時代に向かう若者たちの青春を描いた作品です。アニメや小説とはまた異なる表現媒体においても、彼の物語創作力は発揮され、新たな読者層を獲得することに繋がっています。

遠藤明範氏の作品リストを一部紹介します。

脚本
1984年：超力ロボ ガラット（TVシリーズ）
1985年：機動戦士Ζガンダム（TVシリーズ）、蒼き流星SPTレイズナー（TVシリーズ）
1986年：機動戦士ガンダムΖΖ（TVシリーズ）
1987年：シティーハンター（TVシリーズ）、ミスター味っ子（TVシリーズ）、レリックアーマーLEGACIAM（OVA）、DEAD HEAT（OVA）
1988年：シティーハンター2（TVシリーズ）、銀河英雄伝説（OVA）
1989年：ファイブスター物語（劇場作品）、シティーハンター 愛と宿命のマグナム（劇場作品）、昆虫物語 みなしごハッチ（リメイク版）（TVシリーズ）
1990年：敵は海賊〜猫たちの饗宴〜（OVA）、電脳都市OEDO808（OVA）
1991年：創竜伝（OVA）、シティーハンター'91（TVシリーズ）、おれは直角（TVシリーズ）、機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY（OVA）、帝都物語（OVA）、3×3 EYES（OVA）、魍魎戦記MADARA（OVA）
1992年：ハロー張りネズミ～殺意の領分～!!（OVA）
1993年：銃夢 GUNNM（OVA）
1995年：はじまりの冒険者たち レジェンド・オブ・クリスタニア（劇場作品）
1996年：シティーハンタースペシャル ザ・シークレット・サービス（TVスペシャル）、レジェンド・オブ・クリスタニア（OVA）、FAKE（OVA）
1997年：金田一少年の事件簿（TVシリーズ）
2000年：犬夜叉（TVシリーズ）
2002年：機動戦士ガンダムSEED（TVシリーズ）
2007年：MOONLIGHT MILE（TVシリーズ）

原案
1990年：ウルトラマンGシリーズ

小説
1986年：機動戦士Ζガンダム フォウ・ストーリー（処女作）
1986年～1998年：多数の小説作品
2001年：真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ、真牡丹燈篭、真怪談累ヶ淵、機動戦士Ζガンダム フォウ・ストーリー（加筆修正版）

漫画原作
* 2009年：幕末めだか組（作画：神宮寺一）

遠藤明範氏の作品は、アニメーション、小説、漫画と、多様な媒体を横断し、時代を超えて愛されています。彼の多彩な才能と、情熱的な創作活動は、これからも多くの作品を生み出し、人々を魅了し続けることでしょう。

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