遠藤誠 (弁護士)

遠藤誠について

遠藤誠（えんどう まこと、1930年10月29日 - 2002年1月22日）は、宮城県出身の日本の弁護士で、第二東京弁護士会に所属していました。彼は、その卓越した法律の知識と、社会的な問題に対する積極的な姿勢で広く知られています。

来歴

遠藤は宮城県柴田郡大河原町に生まれました。旧制白石中学校を卒業し、その後は第二高等学校文科に進学。その後、旧制東京大学法学部法律学科に進学し、学生運動にも関わりました。1953年に東京大学法学部を卒業した後、参議院法制局で勤務しながら司法試験に合格。司法修習を受けた後、1961年に弁護士として登録しました。しかし、彼のキャリアは、単なる法曹界への進出にとどまりませんでした。

人物と活動

第二次世界大戦中、遠藤は戦死した父の敵討ちのために仙台陸軍幼年学校に入学しましたが、戦後に父の従軍手帳を読み、その内容から日本軍の行為を知ります。この体験が彼の考え方に大きな影響を与え、昭和天皇の戦争責任を追及するなど、反国家権力の立場で活動するようになったのです。

彼は、帝銀事件の弁護団長や反戦自衛官訴訟の弁護団長として活躍しました。また、連続ピストル射殺事件の永山則夫、映画『ゆきゆきて、神軍』の奥崎謙三の弁護人も務めました。特に奥崎の事件では、無罪を主張しつつも「やり過ぎだ」と解任される一幕もありました。

遠藤は、暴力団対策法の違憲を訴えた行政訴訟にて、無償で山口組の代理人を務めたことでも知られています。この際、彼は「任侠とは、強きをくじき、弱きを助けるものだ」と弁護士としての哲学を組員たちに語りかけました。

弁護士としての信念

遠藤は、平沢事件において「白でも黒でもいい」と語り、国家と対抗するために平沢の事件を利用しようとしました。このスタンスから、彼の弁護活動は常に物議を醸しました。また、オウム真理教事件では、逮捕された青山吉伸の弁護を引き受けましたが、麻原彰晃の弁護は「無罪を確信できないから」と拒否しました。

彼は熱心なマルクス主義者でもあり、「釈迦マル主義者」と自称する一方で、自身の宗教信仰に深い関心を持つ人物でもありました。仏教に帰依する以前は、一夫多妻主義を取り、女性関係での問題も抱えていました。1978年には自殺未遂に陥ったが、その後は生まれ変わったと感じていました。

社会貢献と著作

遠藤誠は、ストーカー規制法やDV防止法の制定に貢献した活動が評価されています。Hiro T.A Sheeneとの親交を深め、被害者救済活動を継続しました。彼はまた、多くの著作を残し、弁護士としての理想や信念を広めました。主な著書には『弁護士と仏教と革命』や『怪物弁護士・遠藤誠の事件簿』などがあります。

彼の活動は、弁護士業界や社会において大きな影響を与え、彼自身の哲学や考え方は今もなお多くの人々に考えさせるものです。

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