遠藤豊

遠藤豊：自由の森学園創設者、教育者

遠藤豊（えんどう ゆたか、1925年3月25日 - 2001年3月26日）は、日本の教育者であり、革新的な教育で知られる自由の森学園の創設者です。

人物・来歴

栃木県矢板市に生まれた遠藤豊は、1946年に栃木師範学校（現在の宇都宮大学）を卒業後、1947年に栃木県の中学校で理科教師として教員生活をスタートさせました。栃木県内の矢板中学校や船生中学校、宇都宮大学附属学校などで教諭を務めた後、1962年に明星学園小中学校の教諭となります。1975年には明星学園小中学校の校長に就任し、その後1985年に自由の森学園を創立、学園長として理想の教育を追求しました。

2001年3月26日、心不全のため死去。

教育理念と実践

遠藤豊は、理科教育の重要性を早くから認識し、実験や観察を通じた認識の発達を重視しました。彼の教育実践は、生徒の主体性を尊重し、創造性を育むことを目指したものでした。自由の森学園では、画一的な教育ではなく、生徒一人ひとりの個性や能力に応じた教育を行い、生徒たちが自ら学び、成長できる環境を提供しました。

遠藤豊の教育理念は、著書にも反映されています。『理科の新しい授業』や『理科教育の革命 実験・観察と認識の発達』などの著書を通じて、理科教育のあり方を問い直し、新しい授業のあり方を提案しました。また、『理想の教室自由の森学園 ここでだったら勉強できる!』では、自由の森学園の教育理念や実践を紹介し、多くの教育関係者に影響を与えました。

著書一覧

『理科の新しい授業』（明治図書出版、新しい授業叢書） 1957
『理科教育の革命 実験・観察と認識の発達』（明治図書出版、教師の仕事） 1958
『理科の授業入門』（明治図書出版） 1961
『モスクワ20番学校の4か月 ソ連の民衆と教育』（国土社） 1968
『理想の教室自由の森学園 ここでだったら勉強できる!』（角川書店） 1985.12
『自由の森学園 その出発』（太郎次郎社） 1986.1

共編著

『ぼくらは科学者 4～6年生』（玉田泰太郎編著、小峰書店） 1964
『学校が生きかえるとき 上 (点数のない教育)』（編著、太郎次郎社） 1979.8
『学校が生きかえるとき 下 (明星教育の新しい展開)』（編著、太郎次郎社） 1979.11
『いま授業を変えなければ子どもは救われない』（林竹二共著、太郎次郎社） 1981.11
『授業がすべて 授業を変えれば子どもがよみがえる』（編、太郎次郎社） 1983.12
『学力モデルと授業の創造』（中内敏夫共編、日本標準、現代教育問題シリーズ） 1983.5
『自由の森学園・その教育 上巻 (人間の教育の形成と発展)』（編著、コスモヒルズ） 1995.12
『自由の森学園・その教育 下巻 (「自由への教育」の展開)』（編著、コスモヒルズ） 1995.12

翻訳

* 『初等物理入門 演習と課題』（ゾロトフ、明治図書出版） 1967

遠藤豊の教育に対する情熱と革新的な取り組みは、日本の教育界に大きな影響を与え、彼の創立した自由の森学園は、現在も多くの生徒たちに学びの場を提供し続けています。

もう一度検索