適切業品

適切業品（パッタカンマ品）について

適切業品（パッタカンマ品）は、パーリ仏典の増支部四集に収められた第7の章です。この章では、仏教の開祖である釈迦が在家信者たちにどのように生きるべきかを説いています。特に、世の中での幸せを得るための実践的な方法と、その障害となるものを詳しく解説しています。

パッタカンマ経とアナナ経

この品に含まれる経典の中でも、特に「パッタカンマ経」と「アナナ経」は重要です。「パッタカンマ経」では、在人の生活において困難かつ稀有な幸せを得るための四つの行いが示されています。これらの行いは繁栄と安定をもたらすものであり、個人や家族、友人に対する施しの意義が強調されます。一方で「アナナ経」では、無負債の状態がどれほど重要であるかが述べられ、精神的な解放の価値についても論じられています。

世間で得難い四つの行い

パッタカンマ経では、以下の四つの行いが世間で得ることが難しいが、期待される幸福を得るために重要だとされています：
1. 正当な方法で得た財産を所有することによる楽しみ（Sukha）
2. 親族や恩師と共に名誉を享受すること
3. 健康で長生きすること
4. 死後に天界に生まれること

これらの行いを実践するためには、釈迦が示した四つの方法があります。これらは信、戒、施、慧です。

期待をかなえるための四つの方法

これらの幸福を手に入れるために、以下の要素が必要であるとされています：

• - 信の具足 (saddhāsampadā): 如来の教えを信じること。
• - 戒の具足 (sīlasampadā): 五戒を守ること。
• - 施の具足 (cāgasampadā): 周りの人々に布施を行うこと。
• - 慧の具足 (paññāsampadā): 五蓋に打ち勝つよう努めること。

五蓋と心の障害

特に「慧の具足」については、釈迦が心の障害である五つの要素、すなわち貪欲、瞋恚、惛沈、掉挙、疑について詳しく解説しています。これらの障害は心を汚染し、真の幸福を妨げるため、これを克服することが求められます。

恵まれた人の行い

正当な手段で財を得た在家者に対する指導も行われており、自分自身や家族、友人のためにその財をどのように利用するべきかが示されています。具体的には、

• - 自分自身を楽しませること
• - 両親や配偶者、使用人を養うこと
• - 親友や仲間に幸せをもたらすこと

生活への影響

また、釈迦は財産の確保や社会における義務に対する喜びも教えています。

• - 受用の楽（財産の使い道に関する指導）
• - 財産を失わないための方策
• - 親族や訪問者に対する義務を果たす喜び

結論

このように、パッタカンマ品は在家信者が抱える日常の悩みへの指針を与え、豊かな人生を送るための智慧が詰まっています。釈迦の教えを実践することで、心の平穏を得るとともに、周囲の人々にも幸せをもたらすことができるのです。

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