那波顕宗

那波顕宗（なわ あきむね）は1548年に生まれ、1590年に亡くなった戦国時代の武将です。彼は上野国今村城の城主であり、父は那波宗俊、妻は北条高広の娘でした。また、彼の子供には安田俊広がいます。

顕宗は永禄3年（1560年）、父が上杉謙信に赤石城を攻め落とされて降伏した際に、人質として厩橋城に送られます。対立する北条方であった宗俊はその後、所領を奪われ、間もなく亡くなります。その後、那波氏の領地は上杉氏に仕えた由良氏に与えられましたが、天正2年（1574年）に由良氏は後北条氏へと離反しました。これを受けて、上杉氏は那波氏の旧領の復帰を試みますが、赤石城は由良氏によって管理されていたため、近辺の今村城を顕宗に与えました。

しかし、上杉謙信の死後、発生した御館の乱では、顕宗は義父・北条高広と共に上杉景虎を支援しましたが、敗北を喫し、その後、武田氏や滝川一益（織田氏）に従うことになります。そして、本能寺の変の後は、上杉氏に復帰した義父と袂を分かち、再び北条氏に従いました。天正11年（1583年）8月には北条高広の侵攻を受け、これを撃退しましたが、状況はさらに厳しくなります。

最終的に天正18年（1590年）の小田原の役において後北条氏と共に敗北し、再び領地を失う結果となります。その後、顕宗は上杉景勝に援助を求めるものの、同年10月には上杉軍の一員として仙北一揆の鎮圧の最中に戦死しました。このように、那波顕宗の代で家系は断絶したと言われていますが、彼の血脈は完全には途絶えませんでした。次男の安田俊広は、上杉氏家臣である大江氏の一族・安田能元の養子となり、後に安田氏としてその血を存続させています。

顕宗の生涯は、戦国時代の激しい時代背景を反映しており、数多くの戦の中でその運命が翻弄されました。彼がどのようにして家族や領地を守ろうとしたのか、その行動は今なお多くの歴史ファンに興味を持たれています。顕宗の物語を通じて、当時の武将たちの苦悩や栄光を感じ取ることができるでしょう。

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