那珂川清流鉄道保存会

那珂川清流鉄道保存会について

那珂川清流鉄道保存会は、栃木県那須烏山市に位置する鉄道車両の保存施設です。株式会社馬頭運送が運営しており、かつて日本の経済成長を支えた数々の鉄道車両を、可能な限り良好な状態で後世に伝えることを目的としています。単に車両を保管するだけでなく、動態保存に力を入れている点が大きな特徴です。

保存会が拠点を置くのは、馬頭運送が運営するセレモニーホールの敷地内。その一部を転用し、広大な敷地内には様々な軌間の線路が敷設されています。三線軌条を採用するなど、スペースを有効に活用している点も注目に値します。

保存車両の特徴

保存されている車両は多岐に渡り、SL（蒸気機関車）からディーゼル機関車、客車、貨車、さらには特殊な事業用車両まで、バラエティ豊かなラインナップが魅力です。特に、2017年にJR東日本から譲り受けたキハ40系気動車は、烏山線で活躍していた当時の姿をそのまま残しており、鉄道ファンにとっては見逃せないポイントでしょう。これらの車両は、展示だけでなくエンジン始動が可能なものもあり、往時の姿を彷彿とさせます。

保存車両の一部を以下に紹介します。

機関車

協三15トンSL：陸上自衛隊で教材として使用されていた1946年製のタンク式蒸気機関車。
クラウス（17号）：1889年製の歴史ある蒸気機関車。
日本車輌15トンDL（D15-1）：1981年製のディーゼル機関車。
汽車会社35トンDL（TD-1）：1970年製ロッド式ディーゼル機関車。
日立製作所25トンDL（TD-2）：3軸ロッド式ディーゼル機関車。
松山重車輌工業25トンDL：1979年製の保線用ディーゼル機関車。
貨車移動機 各種：協三工業製の様々な貨車移動機。
新潟鉄工所31.1トンDL（DL31)：北陸鉄道で使用されていた除雪用機関車。
自社製造 SL風DL（C12)：那珂川清流鉄道保存会にて自社製造されたSL風ディーゼル機関車。
日本車輌製造25トンB型液体式DL機関車（DB251)
協三工業5t半キャブロッド式DL：1961年製。
協三工業20t3軸ロッド式DL：1961年製で22トンに増量改造。

旅客輸送用車両

キハ40系：烏山線で使用されていた3両の気動車。
14系寝台車：寝台特急「北陸」で使用されていた車両。
名鉄キハ8500系気動車：名鉄から会津鉄道を経て譲渡された車両。
北陸鉄道モハ2300形電車（2302)：北陸鉄道から譲渡された車両。

貨物輸送用車両

ク5000形：現存する唯一の「ク」形式貨車。
ワム70000形、ワフ29500形、トラ55000形、トキ15000形、トキ21500形、ヨ3500形、ヨ6000形、ヨ8000形、ホキ700形、ホキ800形、ホキ2500形、コサ900形、コキ9100形、コキ5500形、ヤ550形、タキ2600形、ト1形：様々な種類の貨車。
松山重車輌 大型ダンプトロリー：近畿日本鉄道で使用されていた保守用車両。
作業用トロ（トロA、トロB）：那珂川清流鉄道保存会にて自社製作された車両。

軌間762mmの車両

蒸気機関車（360号機）：ベルギー・チュービッツ製。
蒸気機関車（101号機）：2015年に協三工業で新造された機関車。
酒井工作所4.8トンDL：秋田県能代営林署で使用されていた車両。
日本輸送機：関東特殊製鋼辻堂工場で使用されていた車両。
その他：松岡産業、加藤製作所製の車両、アルナ工機製のディーゼルカー、森林鉄道客車や貨車など。

軌間610mmの車両

蒸気機関車（100号機）：協三工業製でむさしの村にて使用。
加藤製作所製機関車各種：金子組、建設省、東鉄運輸、蔦屋建設で使用されていた車両。
酒井工作所製機関車：小川工業で使用されていた車両。
木造客車：那珂川清流鉄道保存会にて新規制作。
ナベトロタイプ：蔦屋建設、小川組で使用されていた車両。

軌間381mmの車両

蓄電池機関車（EB-3）：GARA GEMASTER RailWayで使用されていた車両。
木造客車：那珂川清流鉄道保存会にて新規製造。

その他

千葉都市モノレール1000形電車：懸垂状態で展示。

アクセス

鉄道：JR烏山線烏山駅から那珂川町コミュニティバスで「白久」下車、徒歩すぐ。
* 自動車：東北自動車道宇都宮ICまたは矢板ICから、国道293号、294号を経由。

注意事項

通常営業時間は10:00～16:00ですが、イベント開催時以外は来場2日前までの電話連絡が必要です。入場料は大人1,000円、子供500円です。

那珂川清流鉄道保存会は、貴重な鉄道車両を間近で見学できる貴重なスポットです。鉄道ファンはもちろん、そうでない方も、往年の鉄道の歴史を感じることができるでしょう。

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