那須資景

那須資景の生涯と功績

那須資景（なす すけかげ）は、江戸時代前期における重要な旗本・大名であり、那須氏の22代当主として歴史に名を刻んだ人物です。生まれは天正14年（1586年）で、父は那須資晴です。この時代は豊臣秀吉の下での権力争いが激化しており、那須家もその影響を受けていました。

資晴は小田原北条氏や伊達政宗と同盟を結んでいたため、秀吉に反抗的と見なされ、一時は改易の危機に直面しました。しかし、那須家の重臣である大田原晴清の働きかけにより、当時わずか5歳の藤王丸（後の資景）は5000石の所領を与えられ、那須氏は存続を許されました。その後、資晴も赦され、再度5000石の領地を与えられました。

慶長5年（1600年）、資景は関ヶ原の戦いにおいて東軍に属し、伊王野資信らとともに上杉景勝に備えました。この戦いの結果、徳川家康からの恩恵を受け、資景は同年に300石を追加で加増されました。そして、慶長7年（1602年）にはさらに1000石が与えられ、彼の家族や一族のためにも幾つかの所領が加増され、最終的に那須家全体で8080石の所領を持つこととなりました。

慶長11年（1606年）には従五位下左京大夫に叙任され、地位を確立していった資景は、慶長15年（1610年）に父が亡くなると、遺された6000石を継承して合計で1万4080石を有する大名として那須藩を立藩しました。さらに、慶長19年（1614年）と元和元年（1615年）の大坂の陣では本多正信隊に参加し、戦果を上げる成果を収めました。

しかし、資景の生涯は波乱に満ちており、慶長15年に隠居して長男の資重に家督を譲ることとなりました。しかし資重は嫡子を残さず1642年に早世してしまい、那須藩は無嗣改易となってしまいます。資景は当時健在であったため、5000石が与えられ旗本としての地位は維持されました。

承応元年（1652年）には青木利長の次男を養子に迎え、資弥を名乗らせます。資弥と那須家の間には血縁関係はありませんが、将軍家の縁者であったため、資弥は既に幕府に仕える小姓として取り立てられ、蔵米2000俵の俸禄を受けていました。こうした経緯から、資弥が家督を相続する際も、彼には賜米が続けられました。

明暦2年（1656年）には資景は亡くなり、享年71歳でした。資弥はその後、那須氏の家督を継ぎ、5000石の加増を受けつつ、蔵米が土地の収入へと改められることで、合計で1万2000石の所領を持つ大名となりました。

このように、資景の生涯は彼自身の政治的な手腕と、家族や血縁者との繋がりによって大名としての地位を確立し、那須藩の歴史に重要な影響を与えることとなったのです。

もう一度検索