那須頼資

那須頼資（なす よりすけ）

那須頼資は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武将で、那須氏の4代目当主に該当します。彼は宇都宮朝綱の子であり、那須氏の3代目当主である那須資之の養子とされている一方、初代当主の那須資隆と朝綱の娘との間に生まれた庶子であるとの見解も存在します。彼の実名については、「那須継図次第」などの文献には資頼（すけより）という表記があり、『玉燭宝典』の紙背文書に記載されている那須系図には頼資として示されています。

このことから、彼が烏帽子親である源頼朝から偏諱の一字「頼」を受けたことが窺えます。資頼が初名とし、頼資がその後の名であるとの解釈も考えられます。

建久4年（1193年）に頼朝が那須に巻狩に出かけた際、当時の当主は息子の光資が就いていたと伝えられており、このことから、頼資が当主として活動していた期間は短かったのではないかと推測されます。系図に沿った順番で考えると、「（資隆（太郎）→資隆（与一）→資之→頼資」という継承の流れがあったと思われます。

さらに、彼の子である資長は、後の那須七騎や伊王野氏の祖として知られています。頼資の他の子供たちも、荏原氏や河田氏などの支族を立ち上げ、その家系も広がっていきました。特に、彼の娘の一人が小栗頼重（常陸小栗氏）と結婚した際、その際に同行した侍女と小栗一族の男性との間に生まれた子孫が、後に那須七騎の大関氏として名を知られるようになるとされています。

このように、那須頼資はその家系を通じて多くの武将を輩出し、地域の政権に影響を与えた家族の中心人物であったことがわかります。彼の存在は、後世にわたり那須氏の名を残し、さらには彼の子孫たちが故郷や勢力を広げていく基盤を築くことになりました。これにより、彼の権威と影響力はその後の時代にも影響を及ぼすことになったのです。

出典

• - 『那須系図』（『群書系図部集 四』P.338）
• - 山本隆志 編『日本中世政治文化論の射程』（思文閣出版、2012年）P.71

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