邦彦王妃俔子

邦彦王妃 俔子の生涯

邦彦王妃 俔子（くによしおうひ ちかこ）は、1879年に生まれた日本の旧皇族で、久邇宮邦彦王の妃として知られています。香淳皇后の母であり、今上天皇や秋篠宮文仁親王、黒田清子の曾祖母でもあります。彼女は旧名を島津 俔子（しまづ ちかこ）とし、皇籍離脱前の身分は王妃でした。

幼少期と結婚

彼女は旧薩摩藩主の島津忠義公爵の娘として生まれ、母は山崎寿満子です。清子（黒田長成侯爵夫人）や充子（松平直亮伯爵夫人）など、多くの姉弟がいました。1898年、彼女は神戸に到着し、その翌年の1899年10月には久邇宮邦彦王と結婚しました。共に生活を築く中で、3男3女をもうけ、家族はその後の皇族としての役割を担っていきます。

社会への貢献

邦彦王妃としての活動に加え、彼女は「恩賜財団愛育会」（現在の恩賜財団母子愛育会）の初代総裁を勤めました。この団体は、児童や母性に関する研究を推進し、福祉向上に貢献するために設立されたもので、彼女の尽力によって多くの成果を上げました。

皇籍離脱

1947年、彼女は皇籍離脱に至ります。この際、 皇籍離脱に関する法律（皇室典範第11条1項）が適用され、家族と共に皇籍を離れました。その後、彼女は「久邇 俔子（くに ちかこ）」という名で生活を続けました。

子孫

彼女には3男3女があり、それぞれが様々な分野で活動しました。長男は朝融王（1901-1959）、次男は邦久王（1902-1935）、長女は良子女王（1903-2000）で静謐な生活を送りました。また、信子女王（1904-1945）は三条西公正伯爵に、智子女王（1906-1989）は真宗大谷派の大谷光暢伯爵に嫁ぎ、邦英王（1910-2014）は天台宗青蓮院の門主を務めました。

栄典

邦彦王妃 俔子はその生涯の中で多くの栄典を受けました。1900年に勲二等宝冠章、1906年には従軍記章、1910年に勲一等宝冠章、そして1940年には紀元二千六百年祝典記念章を授与されています。これらの栄典は、彼女の社会貢献や皇族としての地位を反映しています。

このように、邦彦王妃 俔子は、家族や社会貢献を通じて日本の文化や歴史に多大な影響を及ぼした重要な人物であり、彼女の血縁を通じて現在まで続く皇族の系譜にも深く関わっています。彼女の人生は、明治から戦後にかけての日本の社会変化を象徴するものとして、今なお多くの人に記憶されています。

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