郁久閭予成

郁久閭予成（いくきゅうりょ よせい）

郁久閭予成（? - 485年）は、5世紀後半に柔然を統治した可汗であり、吐賀真の子です。彼の可汗号は受羅部真可汗（しゅうらぶしんかがん）といい、「恵可汗」という意味を持ちます。

生涯

464年、父である吐賀真の死後、予成は可汗に即位し、受羅部真可汗を号しました。彼は柔然で初めて独自の年号を立て、「永康」としました。

北魏との関係

即位後、予成はすぐに北魏の国境を侵犯しましたが、北魏の遊軍に打ち破られました。その後も、北魏との間では侵攻と朝貢を繰り返しました。

469年：庫莫奚・契丹と共に北魏へ朝貢
470年：北魏の辺境を侵犯。献文帝自ら討伐に向かい、柔然軍を撃退
472年：再び北魏の辺境を侵犯。北魏は将を派遣して撃退
473年：敦煌を侵攻するも、北魏の鎮将に撃退される
475年：再び敦煌鎮を攻撃するも、鎮将に破られる

南朝との関係

予成は、北魏に対抗するため、南朝の宋や斉とも外交関係を結びました。

468年：宋に朝貢
471年：3月と6月に宋に朝貢
478年：宋の宰相である蕭道成と連携し、北魏を討つことを謀る
480年：斉に遣使を送って朝貢し、北魏を挟撃することを提案

その他の動向

予成の時代、柔然は西域諸国を従属させ、于闐に迫りました。于闐は北魏に救援を要請しています。また、高句麗と協力して地豆于を分散させようとしました。

北魏との婚姻交渉

475年、予成は北魏に通婚を求めましたが、過去の度重なる国境侵犯を理由に、北魏の官僚は使者を拒絶し、討伐を主張しました。しかし、献文帝はこれを退け、「婚姻は軽々しく行うものではない」と伝えました。その後、孝文帝の時代に再び婚姻を求めましたが、予成の誠意が示されなかったため、実現には至りませんでした。

死去

485年、予成は死去し、子の豆崙が後を継いで伏古敦可汗となりました。

参考文献

『宋書』
『魏書』
『北史』
* 『南斉書』

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