青山幸哉

青山幸哉

青山幸哉（あおやま ゆきしげ）は、江戸時代後期に活躍した大名であり、美濃国郡上藩の6代藩主を務めました。幸成系青山家の10代目にあたります。

生涯

文化12年（1815年）、青山宗家である丹波国篠山藩の4代藩主・青山忠裕の七男として江戸に生まれました。分家である八幡藩の5代藩主・青山幸礼に実子がいなかったため、その養子となり、天保9年（1838年）に幸礼の死去を受けて家督を継承しました。

天保11年（1840年）には幕府の役職である奏者番に任じられ、天保14年（1843年）には寺社奉行を兼任しました。しかし、弘化3年（1846年）に藩の財政悪化を理由にこれらの職を辞任し、財政再建を中心とした藩政改革に着手します。この改革は、借財の整理、生糸の専売、倹約などを柱とするもので、八幡藩の安政・文久の改革と呼ばれています。一定の効果はあったものの、万延元年（1860年）7月に寺社奉行と奏者番に再び任じられたことで、藩の財政は再び悪化しました。文久元年（1861年）12月に寺社奉行を、文久2年（1862年）閏8月に奏者番を辞任した後も、文久3年（1863年）4月に神奈川警備、5月に摂津国警備を命じられ、出費が重なりました。また、藩内では改革に反対する領民による万延の郡上騒動が発生し、改革は頓挫しました。

失意の中、文久3年（1863年）7月16日に49歳で死去し、跡は長男の幸宜が継ぎました。

人物

幸哉は、書画に優れた文化人としても知られています。篠山在住時から蘭学に興味を持ち、足立櫟亭（宇田川榕庵の弟）からオランダ語を学びました。安政2年（1855年）には、メートル法に関する記述を含む『西洋度量考』を刊行しました。この書籍は、先行する西洋の度量衡に関する書物に増補を加え、体系的にまとめたもので、西洋の度量衡について記した書籍としては初めて出版され、広く普及しました。

系譜

実父：青山忠裕
養父：青山幸礼
正室：戸田氏庸の娘
子女：
青山幸宜（長男） - 養母は幸哉の正室
澄子 - 松浦詮継室
禄子 - 久松定弘正室
錫子 - 岡部長職正室
* 鈎子 - 松浦詮養女、立花寛治正室、のち岩城隆邦継室

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