郡頭神社

郡頭神社（こおりずじんじゃ）

郡頭神社は、高知県高知市鴨部上町に位置する神社で、豊かな歴史を有する式内社です。かつては「郷社」として認められており、その由緒ある神社として多くの信仰を集めています。

祭神と歴史

この神社で祀られている主な祭神は大国主神です。彼は日本神話において重要な地位を占める神で、国土の豊かさや繁栄を象徴する神様として、地域住民に広く崇敬されています。

創建の時期については定かではありませんが、古文書にその名が見られます。『続日本紀』によると、神護景雲2年（768年）11月18日に、土佐国の41人が「賀茂」姓を与えられた記録があります。この文では、付近の「神田」という地名に関連する「神依田」という名が言及されています。さらに、『新撰姓氏録』では、鴨部祝が賀茂朝臣の同祖であり、大国主神を祖先神として祀ることが示されています。こうした記録から、当社が創設された背景には、地域に住む鴨氏・鴨部氏が大国主命を祀ったことがあると言われています。

また、当社の所在地は『和名抄』に記載された土佐郡鴨部郷に相当し、この地域はすでに古墳時代から開発が行われていたと考えられています。実際、6世紀には原始祭祀が行われていたと推測され、地域の発展が見られます。特に、『東大寺文書』によると、天平勝宝4年（752年）には、土佐郡鴨部郷から50戸が東大寺に結びつけられた記録が残っています。

社名「郡頭」については諸説あり、土佐郡に鎮座することから名付けられたとも言われています。また、地名「神田」に由来するとの説もあるものの、詳しいことはまだ分かっていません。

社名と変遷

嘉承5年（927年）に成立した『延喜式』には、土佐国土佐郡に「郡頭神社」として記載されています。この時の読みは「コホリツノ」とされ、後に「鴨部神社」とした記録も存在します。明確な変遷は記録されていないものの、中世以降は「鴨部神社」という名称が一般的になったようです。

明治5年（1872年）には、近代社格制度に基づき郷社に昇格しました。しかし、1981年には火災に見舞われ、社殿を焼失する事態が発生します。現在の社殿はその後に再建されたものです。

摂末社と祭事

当社には、荒神社と八幡宮合祀社が存在します。これらの社も、地域の信仰の拠点となっています。

毎年の祭事も豊かで、以下のような行事が行われています。

• - 歳旦祭 （1月1日）
• - 祈年祭 （旧暦1月22日）
• - 大祓式・夏越祭 （6月30日）
• - 夏祭 （7月21日）
• - 例大祭 （11月22日）
• - 大祓式・除夜祭 （12月31日）

これらの祭事は、地域の人々にとって重要な文化的・宗教的なイベントとなっており、多くの参拝者が訪れます。

参考文献

• - 境内説明板
• - 明治神社誌料 編纂所 編『郡頭神社』
• - 『日本歴史地名大系 40 高知県の地名』
• - 山本大 著『郡頭神社』

また、ウィキメディア・コモンズにも、郡頭神社に関する関連の情報が掲載されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。

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