部分連合

部分連合（ぶぶんれんごう）

部分連合は、日本の政治において特定の状況下での政党の連携形態を指す言葉であり、個々の政策に対する議論を通じて、各政党が提携して特定の政策を実現することを目指します。この概念は、英語の「パーシャル連合（partial）」に由来しています。

概要

部分連合の主な特徴は、政策単位での協力を重視する点です。連立政権や閣外協力と比較すると、与党への協力の強度は相対的に低く設定されています。具体的には、各政党がミニマムの合意を形成し、その合意に基づいて特定の政策を進めるという形態が特徴です。これは、与党が単独で法案を成立させるのが困難な場合に特に重要になる手法です。

部分連合の提唱は、1976年12月に誕生した福田赳夫内閣の自民党幹事長、大平正芳によるもので、当時の伯仲国会において野党との個別政策についての協議が行われることを推奨しました。この提唱は、政治上の妥協や調整が必要とされる状況を背景にしています。

1989年の参議院選挙以降、日本の政治は「ねじれ国会」と呼ばれる状況が続きました。この状況では、与党の自由民主党（自民党）が単独では法案を成立させることが難しくなり、1990年の衆議院総選挙以降では、自公民3党の協議によって法案の成立が図られるようになりました。この協力体制は、特にPKO国会において公民両党が内閣信任決議案に賛成しているという形で具体化しましたが、これは両党が正式に与党として位置づけられた訳ではありません。

2010年の参議院選挙以降、再び与党が過半数を失い、「ねじれ国会」の状況が再現されました。この結果を受け、民主党は自由民主党や公明党と共に社会保障と税の一体改革に関する三党合意を結ぶことで、法案成立を目指しました。この様な動きは、部分連合の特徴を体現するものと言えます。

最近の例として、日本維新の会が安倍晋三政権の憲法改正を支持する立場を取り、2016年の結党以来、安倍内閣不信任決議案に反対票を投じたことが挙げられます。しかし、同党の内部には、自民党に対する不満が存在し、場合によっては自民党の議事に反対する形で常任委員会委員長への解任決議に賛成することもありました。

2024年の衆議院選挙では、与党が過半数を失うことで、今後は少数与党による政権維持に向けた手段として部分連合が本格的に浮上する可能性があります。こうした状況は、政党間の協力がさらに重要になることを示唆しています。

関連項目

• - 伯仲国会
• - ねじれ国会

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