部族大公

部族大公とは

部族大公（英：Stem duke、独：Stammesherzog）とは、10世紀、カロリング朝の断絶および帝国の再興時に中世ドイツに成立した大公を指します。

概要

ここでいう「部族」とは、ゲルマン民族の部族であるフランク、ザクセン、バイエルン、アラマンニ（シュヴァーベン）を指します。カロリング朝は8世紀に旧来の部族大公領を解体しましたが、9世紀末のカロリング朝の没落とともに、旧来の部族領が王国の分領地と認識されるようになりました。

この時成立した部族大公領は、以下の5つでした。

フランケン大公領
ザクセン大公領
バイエルン大公領
シュヴァーベン大公領（アレマニア大公領）
ロートリンゲン大公領

部族大公領は、ザーリアー朝統治下のドイツにおいても主要な分領地であり続けましたが、中世盛期初期のホーエンシュタウフェン朝下では次第に衰退していきました。最終的に1180年、フリードリヒ1世がより多くの公領を設置したことで廃止されました。

部族大公領の概念

ドイツ語の部族大公領「Stammesherzogtum」という言葉は、19世紀半ばにゲルマン史学の中で用いられるようになりました。これはドイツ統一の問題と関連していました。そのため、この語の適用性および中世ドイツにおける部族大公の実態については長い間議論の対象となっています。英語の直訳である「stem duchy」は20世紀初期に用いられるようになった新造語です。その後、「tribal」の語が用いられる傾向はあるものの、「stem duchy」の語が一般的となっています。

部族大公に関連する事項

ドイツ王国
選帝侯
帝国クライス

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