部落解放同盟全国連合会

部落解放同盟全国連合会について

部落解放同盟全国連合会、通称「全国連」は、1991年に設立された部落解放運動団体です。この団体は1981年に起きた部落解放同盟大阪府連合会荒本支部の内部抗争に端を発し、荒本支部のメンバーが中心となりました。

設立背景

全国連の成立は、大阪府の同盟における内紛が大きく影響しています。1981年のある日、荒本支部の主導権を巡る争いが暴力団の協力を得て激化し、その結果、荒本支部は大阪府連から排除されました。この内紛の主な原因は、同和に関する利権の独占をめぐる対立や、運動方針の異なりがあったとされています。

特に、この時期の荒本支部は、「革命的共産主義者同盟全国委員会（中核派）」の影響を強く受けており、中央本部の方針から乖離していました。やがて、この流れを受けて、1984年には成田空港反対闘争への参加を理由に多くの同盟員が除名され、残ったメンバーは荒本支部を中心に独自の活動を進めることとなります。

活動内容と理念

全国連は「差別糾弾闘争の復権」や「労働者人民との連帯」を掲げ、狭山闘争や一般的な反戦デモ、成田空港反対闘争などへ積極的に参加しています。部落差別を「日本帝国主義による人民分断支配の道具」として捉え、「プロレタリア人民革命によってのみ部落は解放される」との見解を示しています。また、組織の拡大を目指し「5万人組織の建設」を掲げています。

中核派との関係

設立当初は中核派との緊密な関係を持っていた全国連ですが、1990年代に入ると中核派が大衆運動路線に転換。それに伴い、荒本支部はより独立した活動を展開するようになり、最終的には中核派との関係が悪化し、2007年以降は事実上断絶することとなります。この動きは組織の理念の違いから来ています。

政治活動と賛否

全国連は、政治的な活動にも積極的で、参議院議員選挙ではれいわ新選組や社会民主党から候補者を支持するなどしています。しかし、彼らの活動は一部で批判を浴びることもあり、例えば「えせ同和事件」と呼ばれる不正行為が報じられたこともあります。これにより、監視団体として公安当局から注視される存在となりました。デモ中の逮捕や内部からの圧力も見受けられ、内部状況は常に緊張に満ちています。

組織の現状と未来

今日、全国連は新たな支部を全国に設けているものの、依然として本家部落解放同盟からの離脱者を中心に構成されています。特定の地域における影響力や支持を集めることには苦心していますが、活動内容や理念に賛同する層も存在しており、彼らの活動は地域によって評価も分かれています。

新たに結成された組織や支部が全国連から派生していることから、今後の動向は注視されるべきです。特に、地域の抱える問題に対する支援活動や、若者を中心とした新たな取り組みが期待されています。

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