郭宗熙

郭宗熙（かく そうき）

郭宗熙は、清末から中華民国、そして満州国という激動の時代を生きた政治家です。字は桐柏、または詗柏といい、その生涯は、清朝の官僚から、中華民国の地方官、そして満州国の要職へと、時代の変遷とともに大きく変化しました。

清朝でのキャリア

郭宗熙は、清朝末期に科挙に合格し進士となりました。その後、日本に留学し法政大学を卒業。帰国後、翰林院庶吉士に任官し、官僚としてのキャリアをスタートさせます。その後、長沙府中学堂監督、奉天森林学堂監督、琿春副都統署理、吉林東南路兵備道、同西北路兵備道、浜江道監督といった地方官を歴任しました。これらの経験は、彼の行政手腕を磨き、後の活躍の土台となります。

中華民国での活動

1912年に中華民国が成立すると、郭宗熙は吉林省で重要な役職を担うようになります。1913年1月には吉林提学使に任命され、まもなく同省教育司司長に転任。教育行政の責任者として、地域における教育の発展に貢献しました。翌年7月には、吉長道尹に異動し、地方行政官としての経験をさらに深めます。1916年4月には、護理吉林巡按使に就任し、翌年には正式に巡按使に任命されます。この時期は、中華民国初期の混乱期であり、彼は地方の安定に尽力しました。しかし、1919年10月には罷免され、天津に一時的に隠居します。その後、1925年には、江蘇督弁の楊宇霆の秘書長として復帰しますが、楊が失脚すると山東督弁張宗昌の下で参賛を務めます。さらに、1927年8月から翌1928年5月まで京師図書館（現在の中国国家図書館）館長、中東鉄道督弁を歴任しました。張宗昌が国民革命軍の北伐により失脚すると、再び天津に隠居します。

満州国での役割

1934年、満州国が成立すると、郭宗熙は初代尚書府大臣に任命され、満州国の中枢で重要な役割を担いました。しかし、同年12月29日、在任中に肝癌のため57歳でこの世を去りました。彼の死は、満州国にとって大きな損失でした。

まとめ

郭宗熙は、清末、中華民国、そして満州国という三つの時代を生きた政治家であり、激動の時代の中で、官僚、教育者、そして政治家として、それぞれの時代で重要な役割を果たしました。彼の生涯は、時代の変化に翻弄されながらも、常に責任ある立場を全うした人物として記憶されるべきでしょう。

参考文献

徐友春主編『民国人物大辞典 増訂版』河北人民出版社、2007年。ISBN 978-7-202-03014-1。
「歴任館長 郭宗熙」中国国家図書館ホームページ
* 劉寿林ほか編『民国職官年表』中華書局、1995年。ISBN 7-101-01320-1。

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