郭資

郭資（かく し）

郭資（1361年 - 1434年）は、明代に活躍した官僚です。字は存性、号は静巌と称しました。彼の出身は磁州武安県です。

生涯

1385年（洪武18年）、郭資は進士の試験に合格し、官僚としてのキャリアをスタートさせました。彼は様々な役職を歴任し、最終的には北平左布政使にまで昇進しました。この時期、彼は密かに燕王朱棣と連携を深めていました。

1399年（建文元年）、燕王朱棣が兵を挙げると、郭資は左参政の孫瑜、按察副使の墨麟、僉事の呂震らと共に、いち早く燕王側に寝返り、歓呼の声を上げました。燕王は、世子の朱高熾に北平の守備を任せましたが、郭資はその補佐役を担いました。

靖難の変において、燕王朱棣は3年間各地を転戦しましたが、郭資は一貫して軍の糧食の供給を担当し、兵站を支えました。1402年（建文4年）7月、朱棣が永楽帝として即位すると、11月に郭資は戸部尚書に任命され、そのまま北平布政司の事務を管理しました。

翌1403年（永楽元年）2月、郭資は北京行部尚書に転任し、六部の事務を統括する重責を担いました。1420年（永楽18年）12月には、再び戸部尚書に任命されました。当時、北京では城郭や宮殿の建設が進められており、官吏の増員や漠北遠征のための人員配置など、大規模な労役が必要とされていました。郭資は戸部を率いてこれらの労役動員を円滑に進め、建設事業を支えました。

1424年（永楽22年）8月に洪熙帝（朱高熾）が即位すると、郭資は10月に太子賓客を兼任しました。しかし、11月には老齢と病気を理由に、太子太師の位を加えられて引退しました。1429年（宣徳4年）4月、郭資は再び北京に呼び戻され、戸部尚書として復帰しました。6月には、戸部尚書の職務のまま、太子太師を兼ねました。

1434年1月（宣徳8年12月）、郭資は73歳でその生涯を終えました。死後、湯陰伯の位を追贈され、諡として忠襄が贈られました。彼の息子である郭佑は、後に戸部主事となりました。

郭資は、燕王朱棣の挙兵に初期から協力し、靖難の変での軍糧調達、北京の建設事業を支えた功労者であり、明代初期の政治に大きく貢献した人物として知られています。

参考文献

* 『明史』巻151 列伝第39

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