都営バス八王子支所

都営バス八王子支所の歴史と背景

都営バス八王子支所（正式名：新宿自動車営業所八王子支所）は東京都八王子市明神町に位置し、1949年12月25日に開設されました。この支所は、東京都交通局によるバス運行における重要な拠点で、1986年3月31日をもって廃止されるまでの約37年間、多くの利用者にサービスを提供していました。

所属車両と運行スタイル

この支所が運用していたバスは、登録ナンバーがすべて多摩ナンバーであったため、特に地域の交通事情と密接に関連していました。また、運賃支払方式は中乗り前降り方式で、整理券を用いる形態をとっていました。この方針は、青梅支所と同様のスタイルでありました。八王子支所の敷地は、京王八王子駅の北側、浅川のそばに位置していました。

支所が閉所された後、その跡地には1991年に「社会保険八王子健康管理センター」が開設されました。さらに2009年には民間に売却され、「八王子健康管理センター」と「八王子健康スポーツセンター」が設置され、健康診断やスポーツ施設が整備されました。

開設の背景と歴史の変遷

八王子支所は、多摩地域の発展を目指して設立されたもので、青梅支所が開設されたのは1949年の8月7日。八王子支所はそれから約4か月後に開設され、302系統を通じて京王帝都電鉄（現：京王電鉄バス）との共同運行が行われました。この302系統は、開設当初から1986年の廃止まで基本的に同じ路線を運行していました。

1950年代から1970年代にかけては、急速なモータリゼーションが影響し、交通事情は変化しました。これに伴い、1972年には運行路線が短縮されるなどの措置が取られ、その後の経営も厳しい状況が続きました。1984年には沿線自治体が運行を維持するために公共の負担を行う契約を結ぶことになりますが、これも長続きしませんでした。

1985年には、バス路線の見直しが行われ。特に八王子市と立川市が負担分の計上をしなかったため、立73系統が廃止されることとなり、都営バスは八王子エリアから撤退しました。それにより、八王子支所は八王子分駐所としての機能を持つようになり、最終的に1986年3月31日に完全に廃止されることとなりました。

この支所の歴史には、運行と地域発展の両面から、多くの人々が利用した路線が含まれており、その影響は今でも地域交通に残っています。

車両と運行の詳細

都営八王子支所では、いすゞ・ジャーニーKが導入され、1984年度に初めての中型車として運用が開始されました。冷暖房の機能も持ち合わせたこれらのバスは、サービス向上に寄与しました。特に、中型車の導入は多摩地域のニーズに対応するための重要な施策でした。

八王子支所の廃止時には全車両が新宿営業所へ転属され、別の路線で運用されるなど、地域の交通機関としての役割を全うしました。

まとめ

都営バス八王子支所は、多摩地域における重要な交通の拠点でありました。多くの歴史的背景や地域発展に寄与した一方で、時代の変化とともに消えていったものの、その遺構や車両などは現在も地域の交通の一部として息づいています。八王子支所の記憶は、多くの人々にとって重要な歴史的なレガシーとして受け継がれています。

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