都岐沙羅柵

都岐沙羅柵について

都岐沙羅柵（つきさらのき/つきさらさく）は、日本の古代に存在した城柵の一つで、709年頃に設置されたとされる記録がありますが、実際の時期や正確な場所は未だに不明です。この城柵は、現在の福井県敦賀市から山形県庄内地方にかけての「越国」一帯にあったとされています。都岐沙羅柵についての最古の言及は、『日本書紀』の斉明天皇4年（658年）7月4日条にあります。この記述には、蝦夷が多人数で岡本宮に訪れ、官位と物資を受け取ったことが記録されています。この際に、都岐沙羅柵の建設者は位2階（小乙下）が授与され、その判官は位1階（立身）が与えられました。このことから、都岐沙羅柵が特定の重要性を持っていたことが伺えます。

所在地に関する考察

都岐沙羅柵の所在地については長年にわたり様々な説が存在し、新潟県にあった渟足柵や磐舟柵の中間、または山形県鶴岡市の鼠ヶ関付近が候補として挙げられています。しかし、これらの説に対しては高橋富雄氏が言及し、念珠関の前身扱いについては可能性が薄いと指摘しました。一方で、山形県庄内平野の最上川河口近辺、鶴岡市木野俣、秋田県由利地方なども提唱されていますが、積極的な根拠は不足しています。

さらに、『山形県史』は「鼠ヶ関から山北町地内北部が適地であり」とし、『新潟県史』も鼠ヶ関近辺の説を支持しています。さまざまな研究者が都岐沙羅柵は新潟県と山形県の境界あたりに位置していたのではないかと仮定しています。しかし、いずれの説にも確証を持つ情報は乏しいのが現状です。

蝦夷との関係

古代日本における都岐沙羅柵の役割については、蝦夷との接触が深く関わっている可能性があります。上述の岡本宮への蝦夷の来訪は、阿倍比羅夫が北に航海した結果とされ、都岐沙羅柵の関係者はこの出来事に何らかの形で影響を与えたものと推測されています。豊富な資源を持つ蝦夷の地域との交流は、都岐沙羅柵の必要性を高めたのかもしれません。

地名の起源

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