都築泰壽

都築泰壽の生涯と学園経営

都築泰壽（つづき やすひさ）は、1936年3月11日に生まれ、2015年4月27日に79歳で亡くなった日本の学校法人経営者です。都築学園グループの創設者夫妻の次男として生まれ、福岡学芸大学、早稲田大学大学院を経て、ブリガムヤング大学大学院を中退しました。

学園経営者としての顔

都築氏は、都築学園グループの理事長として、傘下の複数の大学で学長を兼務しました。第一薬科大学、第一経済大学（現：福岡経済大学、後に日本経済大学に名称変更）、第一工業大学、第一福祉大学（現：福岡医療福祉大学）、そして第一幼児教育短期大学の学長を務め、教育界に貢献しました。

1999年には、オックスフォード大学から「ジョンソン・オーナラリイフェローシップ」、ケンブリッジ大学から「ペイトロン賞」を妻である仁子氏とともに受賞しました。この功績を称え、福岡経済大学の入学式には、両大学の学長が毎年挨拶に訪れていました。

組織運営の特徴

都築氏の組織運営の特徴として、自衛隊OBを多数採用し、上意下達を徹底した体制を構築していました。また、「キャラバン」と呼ばれる広報活動を毎年実施し、自ら「総指揮官」として陣頭指揮を執りました。このキャラバンは、都築学園グループの教職員研修も兼ねており、系列大学の教授なども参加する名物行事でした。

キャラバンの締めくくりには、「凱旋式」と題したイベントを開催。軍歌パレードやくす玉割り、職員による軍歌の替え歌「第一軍団勤務」の披露などが行われていました。「第一軍団勤務」は、都築氏を賛美する内容で、後に系列校の朝礼で歌われる慣習となりました。歌詞は以下の通りです。

第一軍団勤務
一、歴史豊かな軍団を、守る職員一同は、土曜日曜の分かちなく、勇み励みて勉むべし
二、熱鉄身を焼く夏の日も、風刀身を切る冬の夜も、広報募集の二文字を、肝に銘じて勉むべし
三、個性を伸ばす軍団の、高き理念を誇りつつ、勤めは種々に分かれども、尽くす誠はただ一つ
四、私学の命運担いつつ、関東攻略軍団は、総軍指揮する総長の、行く手さえぎる敵もなし
五、精強無比たる軍団を、創設賜り栄えあれと、祖霊の教え戴いて、誓いも新たに勉むべし

強制わいせつ事件と逮捕

2007年11月14日、都築氏は福岡経済大学キャンパス内で女性職員に対し強制わいせつを行った容疑で逮捕されました。さらに、2008年1月9日には、第一福祉大学の説明会でも同様の容疑で再逮捕されました。長年にわたるセクハラ行為は、総長という立場を利用し、系列校内で黙認されていたとされています。

逮捕後、都築氏は総長職を解任され、妻の仁子氏が新総長に就任しました。2008年5月7日には、7000万円の保釈保証金を納付し保釈されました。その後、起訴された3件の強制わいせつ罪に関する裁判が行われ、6月3日に福岡地方裁判所にて、懲役3年、執行猶予5年の判決が言い渡されました。裁判所は、都築氏の犯行を「非常に執拗（しつよう）かつ卑劣で悪質」と断じましたが、示談金の支払い、総長辞任、高齢であることを考慮し、執行猶予付きの判決となりました。

まとめ

都築泰壽は、教育者として、また、学園経営者として、その生涯を教育に捧げました。しかし、その一方で、組織運営における独裁的な手法や、晩年の強制わいせつ事件による逮捕など、その功績と負の側面の両面を持つ人物であったと言えるでしょう。

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