里見進

里見進（さとみ すすむ）は、1948年6月18日に沖縄県那覇市で生まれた、日本の医学者です。医学博士の学位を持ち、外科学一般、移植外科、消化器外科を専門としています。独立行政法人日本学術振興会の理事長、日本外科学会の名誉理事長を務めています。また、第21代東北大学総長、国立大学協会会長、日本外科学会初代理事長など、数々の要職を歴任しました。

生い立ちと学歴

1948年、沖縄県那覇市で誕生しました。1967年3月に那覇高等学校を卒業後、国費・自費沖縄学生制度に応募しましたが、進学先が決定しなかったため、東北大学に進学しました。大学在学中は、東京で祖国復帰運動にも参加しました。

1974年3月には東北大学医学部医学科を卒業。同年4月からは東京都済生会中央病院で勤務し、同年7月に医師免許を取得しました。

研究・教育活動

医師免許取得後は、由利組合総合病院での勤務を経て、1977年6月に東北大学医学部附属病院（現在の東北大学病院）第二外科に入局しました。1982年5月には東北大学附属病院第二外科助手となり、1984年1月からはハーバード大学研究員として研究活動に従事しました。同年、東北大学より医学博士の学位を取得。

1986年からは東北大学医学部第二外科助手、講師を経て、1995年10月には東北大学医学部教授に就任しました。

大学運営と社会貢献

2004年11月、東北大学病院の院長に就任。2005年4月には東北大学副総長（病院長兼任）となり、大学運営にも携わりました。2008年には、日本外科学会の初代理事長に就任し、2012年までの4年間務めました。

2011年3月に発生した東日本大震災では、副学長兼東北大学病院長として陣頭指揮を執り、事態の収拾に尽力しました。

2012年4月、東北大学総長に就任。在任中には、東北大学のあるべき姿とそれを実現するための施策をまとめた「里見ビジョン」を発表しました。また、2017年には、世界最高水準の教育研究活動を展開する国立大学を支援する「指定国立大学法人制度」において、東北大学が初年度から指定されました。さらに、2014年11月から2017年6月まで国立大学協会会長も務めました。

2018年3月に東北大学総長を退任し、2018年4月には日本学術振興会理事長に就任。2022年4月に同理事長を退任しています。

2021年には、「科学研究分野における日仏関係の強化に決定的な貢献を果たした」として、フランス国家功労勲章シュヴァリエを受章しました。

主な研究業績

里見進の研究業績は、以下の通りです。

臓器移植における免疫学的寛容誘導の研究
肝再生促進におけるアミノ酸の役割に関する研究
障害機序の解明に基づく臓器保存の研究
食道癌低侵襲手術法の開発

受賞歴

* 2021年：フランス国家功労勲章シュヴァリエ

里見進は、医学研究、教育、大学運営、社会貢献において、多大な功績を残した人物として知られています。

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