重夫 (呼出)

重夫（しげお）

1966年1月25日生まれ、滋賀県野洲市出身の呼出。
九重部屋に所属し、本名は谷口卓美。
現在は三役呼出として、相撲の土俵を支える重要な役割を担っています。

相撲界入りのきっかけ

中学3年生の時、友人の家に訪れた北の富士に相撲への興味を抱いたことがきっかけで、呼出の世界へ足を踏み入れました。北の富士の勧誘を受け、当初は社交辞令だと受け止めていたものの、熱心な誘いに心を動かされ、相撲の世界へ飛び込むことを決意。

両親からは「中途半端な気持ちで戻ってくることは許さない」と覚悟を求められ、その言葉を胸に1981年4月、中学卒業直後に入門しました。

初土俵と異例のスピード出世

初めての仕事は5月場所の土俵築き。右も左も分からない状況で土を運ぶことから始まりました。
当時は人手不足で、着付けもままならないまま初土俵を踏み、懸賞旗を持って土俵を回るという異例のデビューとなりました。

その後、2日目に呼び上げの練習、3日目には呼び上げデビューという、現在の採用規定では考えられないほどのスピード出世を果たしました。太鼓の練習も、初土俵直後の6月に先輩から口頭でリズムを教わり、枕を太鼓代わりにして練習を重ねたというエピソードがあります。

印象的な取組の担当

2012年5月場所の優勝決定戦（栃煌山-旭天鵬戦）、2018年1月場所14日目の（栃ノ心-松鳳山戦）と、2度も平幕同士の優勝決定戦という、非常に重要な一番を担当した経験を持ちます。これらの取組は、顔が青くなるほどのプレッシャーを感じ、終わった後は体が動けなくなるほどだったと語っています。

人物像

兄弟子たちから「下手」と言われ続けていたという呼び上げは、2019年の記事でも苦手であることを認めています。土俵築きは、慣れても体力を使う仕事だと感じているそうです。

また、意外にも「顔に似合わず下戸」で、お酒は一切飲まないそうです。

呼出としての信念

重夫は、呼出はあくまで黒子であり、力士の邪魔をせず、さりげなく振る舞うのが理想だと考えています。慌てた顔をせず、力士が落ちてきそうもないのに逃げるのは恥だと語り、常に冷静沈着であることを心がけています。

また、喉のケアは非常に重要で、のど飴や薬用スプレーを欠かさないそうです。

土俵作りのこだわり

土俵築きで使用するビール瓶は、持ちやすさと重さからアサヒビールを愛用していることを明かしています。キリンのビール瓶は薄くて割れやすく、他の銘柄でも問題ないが、アサヒビールが一番使いやすいとのことです。

略歴

1981年5月場所 - 初土俵
1994年7月場所 - 幕下呼出
1996年1月場所 - 十両呼出
2002年1月場所 - 幕内呼出
2014年11月場所 - 三役呼出

外部リンク

重夫 - 日本相撲協会

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