野々村聡子

野々村 聡子

1987年7月23日生まれ、広島県三原市出身の日本の元女子プロ野球選手であり、現在は野球指導者として活動しています。

野球との出会いと学生時代

野球に興味を持ったのは、小学生の頃に広島市民球場でプロ野球の試合を観戦したことがきっかけでした。その魅力に引き込まれ、自身も野球に打ち込むことを志します。地元・広島県の福山誠之館高校に進学後、当初はソフトボール部に所属していましたが、硬式野球への強い思いを捨てきれず、奈良教育大学教育学部学校教育教員養成課程保健体育専修へ進学。大学では女子硬式野球クラブチームである大阪BLESSに所属し、硬式野球のキャリアを本格的にスタートさせました。大学時代には、大阪BLESSでの活動に加え、大学の男子硬式野球部の練習にも積極的に参加するなど、技術と経験を磨きました。学生時代には、学校の教員となり、自身の出身地である広島で初めて女子硬式野球部を創設するという夢を抱いており、指導者への関心も高かったことが伺えます。実際、大学の卒業論文では「指導者の社会的勢力が高校女子野球選手の競技意欲に及ぼす影響」というテーマで研究を行っています。

プロ野球選手としてのキャリア

大学卒業を控えた2009年、日本女子プロ野球機構が開催した第1回合同トライアウトに挑戦し、合格を果たしました。同年12月に行われたドラフト会議において、兵庫スイングスマイリーズから外野手として3巡目で指名を受け、プロ入りが決定しました。プロ1年目となった2010年シーズンは、主に代走や守備固めとして18試合に出場し、チームの勝利に貢献しました。翌2011年には16試合に出場し、プロ選手として初めて安打を記録しましたが、同年12月13日に日本女子プロ野球機構より退団が発表され、12月16日には戦力外通告が理由であったことが公表されました。プロ選手としての背番号は25でした。

プレースタイルと人物像

現役時代のプレースタイルとしては、主に遊撃手としてグラウンドに立ち、俊足を活かしたプレーを得意としていました。特にセーフティバントは彼女の持ち味の一つでした。また、状況に応じて二塁手、三塁手、右翼手としてもプレーするなど、複数のポジションをこなせるユーティリティ性を持ち合わせていました。チームメイトからは「のの」のニックネームで親しまれていました。

引退後の活動：指導者、トレーナー、そして専門職

プロ野球選手としてのキャリアを終えた後、野々村聡子氏は指導者としての新たな道を歩み始めました。広島市にあるMSH医療専門学校において女子硬式野球部の設立に尽力し、初代監督としてチームを指導。現在は部長として、チームの運営や選手の育成に携わっています。野球界への貢献は指導者にとどまらず、トレーナーとしても活動しており、2023年には侍ジャパン女子日本代表チームにトレーナーとして帯同を依頼されました。特筆すべきは、同年5月にカナダで開催された第3回アジアカップにおいて、代表チームとしては初の試みとなる子連れ帯同を実現したことです。これは、女性指導者・スタッフがキャリアと育児を両立する上で画期的な事例となりました。同年9月に広島で開催されたW杯グループB予選でも、同様の形でチームに帯同し、選手たちをサポートしました。

プライベートと柔道整復師としての顔

プライベートでは、2016年に元プロ野球選手の鈴木将光氏と結婚しました。また、日本女子プロ野球機構に所属する全ての選手に柔道整復師の資格取得が必須とされていたため、彼女もこの資格を取得しています。現在は、鈴木氏とともに治療院を経営しており、野球界での指導・トレーナー活動と並行して、専門職としての仕事、そして子育てとも両立させる日々を送っています。選手、指導者、トレーナー、そして医療専門職と、多岐にわたるキャリアを通じて、野球界、特に女子野球の発展に貢献し貢献しています。

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