野中哲照

野中哲照（のなか てっしょう）

野中哲照は、1961年生まれの日本の国文学者であり、國學院大學文学部日本文学科の教授です。福岡県豊前市出身。

略歴

1984年に早稲田大学教育学部国語国文学科を卒業後、1992年に早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程を満期退学しました。同年、鹿児島短期大学専任講師に就任し、1995年には助教授に昇任。2000年からは鹿児島国際大学国際文化学部教授を務めました。2010年から2014年まで放送大学客員教授を兼任し、2011年から2013年までは西日本国語国文学会代表委員を務めました。2015年より現職である國學院大學文学部日本文学科教授。

2013年には、「文学史的展開から見た前期軍記の研究」で早稲田大学から博士（文学）の学位を授与されました。

受賞歴

1991年に窪田空穂賞を受賞しています。

著書

単著

『後三年記の成立』 汲古書院、2014
『後三年記詳注』 汲古書院、2015
『保元物語の成立』 汲古書院、2016
『陸奥話記の成立』 汲古書院、2017
『那須与一の謎を解く』 武蔵野書院, 2022
『平家物語　解剖図鑑』 エクスナレッジ, 2024

共著

『新編日本古典文学全集 53　曾我物語』 梶原正昭、大津雄一共校注・訳 小学館、2002
『戦国軍記事典　群雄割拠篇』 和泉書院、1997
『戦国軍記事典　天下統一篇』 和泉書院、2012

研究内容と業績

野中哲照は、日本中世文学、特に軍記物語の研究において顕著な業績を上げています。『後三年記』、『保元物語』、『陸奥話記』といった作品の成立過程や歴史的背景について詳細な分析を行い、新たな解釈を提示しています。また、『平家物語』に関する研究も行っており、多角的な視点から作品の魅力を解き明かしています。

近年の著書である『那須与一の謎を解く』では、源平合戦で活躍した武将・那須与一の実像に迫り、歴史的資料や伝承を丹念に検証することで、与一の人物像を立体的に描き出しています。

『平家物語　解剖図鑑』では、『平家物語』を様々な視点から読み解き、物語の構造や登場人物、歴史的背景などをわかりやすく解説しています。図版を豊富に用いることで、読者がより深く『平家物語』の世界を理解できるよう工夫されています。

社会活動

野中哲照は、研究活動にとどまらず、古典文学の普及にも力を入れています。放送大学の特別講義では、薩摩川内市の東郷文弥節人形浄瑠璃や薩摩硫黄島の熊野三山と『平家物語』の関係について解説し、地域文化の魅力を発信しています。また、NHK Eテレの番組「古典☆推し！平家物語」では監修を務め、若い世代にも古典文学に興味を持ってもらうための活動を行っています。

外部リンク

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