野外教育

野外教育とは

野外教育は、自然の中での体験活動を通じて、学習者の成長を促す教育分野です。単に自然の中で遊ぶだけでなく、一定の教育目標を持ち、計画的に行われる点が特徴です。現在、多くのNPOや民間団体が野外教育プログラムを提供しており、全国の青少年教育施設でも実施されています。子供たちの「生きる力」を育むことを重視し、自然体験を通して主体性や協調性を養うことを目指しています。

歴史

野外教育の概念は、1940年頃のアメリカで生まれました。L・B・シャープが提唱した「Outdoor Education」がそのルーツとされています。日本では、1960年代からアメリカの野外教育が紹介され始め、1996年に文部省に提出された報告書をきっかけに、広く認知されるようになりました。その後、文部省は指導者育成のためのセミナーを実施し、野外教育の普及を促進しました。

学校教育においても、集団宿泊学習や総合的な学習の時間などで野外教育の手法が取り入れられています。また、近年では、体育の授業にプロジェクトアドベンチャーを導入する学校も増えています。

指導者

野外教育を専門とする指導者は、自然学校の職員、青少年教育施設の職員、教育委員会の社会教育主事などが挙げられます。また、ボランティアとして活動する人も多く、経験や資格があれば誰でも指導者になることができます。文部省は専門的な指導者を育成するため、セミナーを実施し、実践的なノウハウを共有しました。

体験学習法

野外教育における体験学習法は、単なる体験で終わらせず、体験を振り返り、そこから学びを得ることを重視します。具体的には、「どのような体験をしたか」「何に気づいたか」「なぜそうなったか」「そこから何を学んだか」などを問いかけ、学習者の成長を促します。

専門学校・大学

野外教育を専門的に学べる大学も存在します。多くは体育学、教育学、心理学に関連した学部・研究室で研究が行われています。筑波大学が最も古い研究室であり、野外教育学会の事務局も務めています。他にも、大阪体育大学、信州大学、日本体育大学、東京学芸大学、びわこ成蹊スポーツ大学などで研究や授業が行われています。専門学校としては、国際アウトドア専門学校があります。

関連する項目

野外教育と関連の深い項目として、以下のようなものが挙げられます。

アウトワード・バウンド
環境教育
国立青少年教育振興機構
国立日高青少年自然の家
森のようちえん
林間学校

これらの項目も併せて理解することで、野外教育への理解がより深まるでしょう。

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