野崎昭弘

野崎昭弘

概要

野崎昭弘（のざき あきひろ、1936年8月31日 - 2025年1月15日）は、日本の著名な数学者であり、大妻女子大学の名誉教授です。専門はアルゴリズム理論と多値論理学であり、その研究と教育活動は多岐にわたりました。

略歴

横浜市で生まれた野崎昭弘は、1959年に東京大学理学部数学科を卒業し、1961年には同大学院数物系研究科修士課程を修了しました。その後、電電公社（現在のNTT）電気通信研究所、東京大学教養学部講師を経て、1967年から1969年までフランスのグルノーブル大学に滞在し、研究活動に従事しました。

帰国後、東京大学教養学部助教授を経て、1971年に「Functional completeness in the family of spectra（スペクトルの類における関数生成に関する完全性）」で東京大学より理学博士号を取得しました。その後、1972年に同理学部助教授、1975年には山梨大学工学部教授、1979年には国際基督教大学教授を歴任しました。

1993年からは大妻女子大学社会情報学部教授として教鞭をとり、2007年に定年退任し、名誉教授となりました。退任後もサイバー大学IT総合学部教授として教育に携わりました。

受賞歴と業績

野崎昭弘は、その学術的な業績に加え、『ゲーデル、エッシャー、バッハ』の翻訳者の一人としても広く知られています。はやしはじめ、柳瀬尚紀と共に1985年度の日本翻訳文化賞を受賞しました。また、2015年春の叙勲では、瑞宝中綬章を受章し、その長年の教育と研究への貢献が称えられました。

主な著書

野崎昭弘は、数多くの著作を執筆し、数学、情報科学、論理学の分野で広く読まれています。その著作は、専門的な内容から一般向けの啓蒙書まで多岐にわたります。

単著

『電子計算機と数学』（1965年）
『教養電子計算機』（1970年）
『現代教養数学 集合論から電算機プログラミングまで』（1970年）
『スイッチング理論　電子計算機基礎講座』（1972年）
『基礎数学概論』（1974年）
『とらんぷ』（1974年）
『πの話』（1974年）
『詭弁論理学』（1976年）
『二進法』（1978年）
『逆説論理学』（1980年）
『離散系の数学』（1980年）
『新教養の数学』（1981年）
『数学屋の楽しみ パズル・ゲーム・言葉の遊びetc.』（1981年）
『数学屋のうた ことば・論理・コンピュータetc.』（1982年）
『赤いぼうし』（1984年）
『計算機数学』（1984年）
『新コンピュータ概論』（1985年）
『人間=コンピュータ=人工知能』（1986年）
『数学的センス』（1987年）
『人工知能はどこまで進むか』（1988年）
『さかさまさかさ』（1989年）
『エッシャーからの贈り物』（1990年）
『トランプ ひとり遊び88選』（1990年）
『ロジカルな将棋入門』（1990年）
『フレ！フレ！100まんべん』（1992年）
『アナログ?デジタル?ピンポーン!』（1994年）
『組合せ論・グラフ理論』（1994年）
『まるさんかく論理学』（1995年）
『不完全性定理 数学的体系のあゆみ』（1996年）
『一（一語の辞典）』（1998年）
『アルゴリズムとプログラミング技法』（1999年）
『人生が楽しくなる確率』（2005年）
『離散数学「数え上げ理論」 「おみやげの配り方」から「Nクイーン問題」まで』（2008年）
『解ける問題解けない問題』（2009年）
『人間・社会・コンピュータの情報処理原論』（2009年）
『数学で未来を予測する ギャンブルから経済まで』（2011年）
『なっとくする群・環・体』（2011年）
『はじまりの数学』（2012年）
『人はなぜ、同じ間違いをくり返すのか』（2014年）
『「P≠NP」問題 現代数学の超難問』（2015年）
『数学と方法 もっと数学が好きになるヒント』（2016年）
『詭弁論理学 改版』（2017年）
『まるさんかく論理学 数学的センスをみがく』（2021年）
『算数・数学の基本常識 大切なのは数学的センス』（2021年）

共編著

『言語の数理』（1976年）
『情報数学入門』（1979年）
『生き生きパソコン すぐに役立つ高校数学の授業』（1990年）
『現代数学の風景』（1993年）
『計算の理論』（1995年）
『のびのびBASIC すぐ使える高校数学の授業集』（1995年）
『微分・積分の意味がわかる―数学の風景が見える』（2000年）
『統計・確率の意味がわかる―数学の風景が見える』（2001年）
『家庭の算数・数学百科』（2005年）

翻訳

『言語理論とオートマトン』（1971年）
『人工知能 発見的プログラミング』（1972年）
『組合せ論の基礎』（1973年）
『問題解決の理論 人工知能の基礎』（1974年）
『アルゴリズムの設計と解析』（1977年）
『オートマトン言語理論計算論』（1984-86年）
『漫画コンピュータ・サイエンス』（1984年）
『ゲーデル,エッシャー,バッハ あるいは不思議の環』（1985年）
『人工知能と人間』（1986年）
『計算論とオートマトン理論』（1988年）
『プラニバース 二次元生物との遭遇』（1989年）
『電脳生物たち 超AIによる文明の乗っ取り』（1991年）
『コンピュータが驚異的によくわかる 漫画』（1994年）
『哲学事典 ～とは何であるかを考える』（1994年）
『Computing辞典』（1996年）
『シャーロック・ホームズのチェスミステリー』（1998年）
『人生に必要な数学50』（2009年）

参考文献

解ける問題　解けない問題 - 紀伊国屋書店BookWeb
野崎昭弘 - 情報処理学会

まとめ

野崎昭弘は、その多岐にわたる研究と教育活動を通じて、数学、情報科学、論理学の分野に多大な貢献をしました。彼の著作や翻訳は、多くの学生や研究者に影響を与え、その業績は今後も長く語り継がれるでしょう。

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