野嶋剛

ジャーナリスト野嶋剛氏：アジア情勢とメディア論の第一人者

野嶋剛氏は1968年5月生まれのジャーナリストで、福岡市出身です。上智大学文学部新聞学科卒業後、香港中文大学への留学を経て、1992年に朝日新聞社に入社しました。

朝日新聞社時代には、佐賀支局、中国のアモイ大学留学、西部社会部などを経て、シンガポール支局長や台北支局長を務め、中国、台湾、アジア地域を幅広く取材。その豊富な経験と深い知識は、氏の活動を支える基盤となっています。

2016年にフリージャーナリストとなり、現在も精力的に活動しています。台湾、香港、中国に関するルポルタージュや評論を数多く発表しており、その著作は中国や台湾でも刊行されています。

野嶋氏は、長年の取材活動を通して培った知識と独自の視点から、国際情勢や社会問題を鋭く分析し、発信し続けています。中国や台湾への理解を深めるための多角的なアプローチは高く評価されており、その著作は多くの人々に読まれています。

受賞歴と活動

氏の活動は高く評価されており、数々の賞を受賞しています。

2014年：第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞（『チャイニーズ・ライフ――激動の中国を生きたある中国人画家の物語』訳者）
2016年：第11回樫山純三賞（一般書部門）（『台湾とは何か』）
2018年：卓越新聞奨（ニュース評論部門）（台湾にて。外国人として初受賞）

2019年4月からは、大東文化大学社会学部特任教授としてメディア及びジャーナリズム論を担当し、後進の育成にも力を注いでいます。

独自の視点と主張

野嶋氏は、中国、台湾、香港といった地域問題について、独自の分析と深い洞察を示しています。

2022年のロシアによるウクライナ侵攻については、中国が親中ウクライナとパートナーであるロシアとの間で難しい立場に置かれていると分析。また、香港と台湾は、中国に対する日本を含む諸外国の対応を先読みできる「坑道のカナリア」だと指摘し、「一昨日のチベット・ウイグルは、昨日の香港、今日のウクライナ、明日の台湾、明後日の日本」という強い警鐘を鳴らしています。

琉球独立運動についても、地域が中央政府に対して自己決定権や自立を主張するという点で、香港や台湾の独立運動と共通点がある一方で、仮想敵国が異なるため、香港や台湾の独立派とは関心の度合いが異なる点を指摘しています。

主な著書

野嶋氏は、単著、共著、訳書合わせて多数の著作を出版しています。主な著書は以下の通りです。

単著

イラク戦争従軍記
ふたつの故宮博物院
謎の名画・清明上河図
銀輪の巨人 ジャイアント
ラスト・バタリオン
蒋介石を救った帝国軍人
認識・TAIWAN・電影
台湾とは何か
故宮物語
タイワニーズ
日本の台湾人
なぜ台湾は新型コロナウィルスを防げたのか
香港とは何か
新中国論

訳書

チャイニーズ・ライフ――激動の中国を生きたある中国人画家の物語

野嶋剛氏の著作は、アジア情勢、特に中国、台湾、香港に関する深い理解と鋭い分析に基づいており、多くの人々に啓発を与え続けています。今後もその活動に注目が集まりそうです。

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