野村専太郎

野村専太郎：激動の時代を駆け抜けた実業家、政治家

野村専太郎（1901年2月7日 - 1991年10月5日）は、大正から昭和にかけて、実業家、政治家として多岐にわたる分野で活躍した人物です。特に戦後の復興期において、その手腕を発揮しました。

初期の経歴と建設業界での活躍

東京府（現在の東京都）出身の野村は、1917年に中央工学校建築高等科を卒業後、建設業界に進みます。1939年には野村組を設立し、社長に就任。終戦直後の混乱期において、新宿で隆盛を誇った尾津喜之助との深いつながりがあったとされています。尾津との関係は、戦後の新宿における闇市や経済活動に影響を与えたと考えられています。

1975年には小田急建設会長、1981年には同取締役相談役に就任するなど、長年にわたり建設業界の発展に貢献しました。その他、東京土木建築業組合副理事長、京西信用組合長（現在の東京信用金庫）、東横運動施設取締役、東京製氷取締役、新日本興業取締役、学校法人中央工学校理事長など、数々の要職を歴任し、幅広い分野で才能を発揮しました。また、ワシントンホテルの経営にも携わるなど、その活動は多岐にわたります。

政界への進出と議員活動

野村は政界にも進出し、淀橋区会議員、同議長、東京市会議員、東京都議会議員を歴任しました。1949年1月の第24回衆議院議員総選挙では、東京都第1区から民主自由党公認で出馬し、見事当選。衆議院議員として1期を務めました。しかし、その後は第27回総選挙まで連続3回立候補したものの、いずれも次点で落選しています。政界での活動を通して、地域の発展に尽力しました。

人物

新宿ワシントンホテルの敷地内にある新宿韋駄天尊には、野村夫妻の銅像が建立されています。これは、地域社会への貢献を称えたものであり、彼が地元の人々から深く尊敬されていた証と言えるでしょう。

晩年

墓所は多磨霊園にあり、静かに眠っています。野村専太郎は、激動の時代を生き抜き、建設業界、政界、教育界など、多岐にわたる分野で足跡を残しました。その功績は、今もなお語り継がれています。

参考文献

衆議院・参議院『議会制度百年史 - 衆議院議員名鑑』大蔵省印刷局、1990年。
『現代物故者事典 1991～1993』日外アソシエーツ株式会社、1994年。
* 『国政選挙総覧 1947-2016』日外アソシエーツ、2017年。

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