野村金吾

野村金吾の業績

概要

野村金吾（のむら きんご、1907年2月24日生まれ）は、日本の映画界で撮影技師として著名な人物です。本名は野村金次郎で、彼のキャリアは主に1920年代から1930年代にかけて展開されました。彼は数多くのサイレント映画やトーキー作品に携わり、その技術とセンスが映画制作に大きく寄与しました。

人物・背景

金吾は明治40年に生まれ、旧制中学校に進学したものの中退し、映画界に飛び込みました。最初は映写技師として映画館で働き、その経験を活かして映画制作に携わることとなります。1923年に牧野省三が設立したマキノ映画製作所に入社し、等持院撮影所での現像部に所属しました。

1924年には同社が東亜キネマに吸収され、等持院撮影所はその傘下に入りますが、翌年には牧野が再び独立し、マキノ・プロダクションを設立しました。金吾はこの新しい体制のもとで撮影技師としてのキャリアをさらに築いていくことになります。

映画キャリア

金吾の最初のクレジットは、1927年に公開された『週間苦行』で、これは彼が20歳の時に撮影を担当した作品でした。その後も『学生五人男 暗黒篇』や『鍵穴』など、多くの映画に関わりながら、名声を高めていきました。

1929年に牧野省三が亡くなると、マキノ・プロダクションは財政難に直面し、金吾は1931年の『親爺天国』を最後に同社を退社しました。その後、3年間のブランクを経て、1934年には嵐寛寿郎プロダクションに加わります。

彼はここで、トーキー作品の撮影に携わり、特に嵐寛寿郎の作品において重要な役割を果たしました。1937年には全勝キネマに移籍し、サイレント映画の制作に戻りましたが、その後の活動については記録が残っていません。没年は不詳です。

フィルモグラフィ

金吾の映画制作におけるクレジットは主に「撮影」として残されています。彼が関わった代表的な作品としては、次のものが挙げられます：

• - 『週間苦行』（1927年）
• - 『学生五人男 暗黒篇』（1927年）
• - 『水戸黄門 東海道篇』（1929年）
• - 『親爺天国』（1931年）
• - 『銭形平次捕物控 紅蓮地獄』（1934年）
• - 『旅の風来坊』（1937年）

彼はサイレント映画の撮影を主に担当しましたが、トーキー時代にもその技術を活かして作品に貢献しました。彼の作品は、現在でも日本映画の歴史において重要な位置を占めています。

結論

野村金吾は日本映画界において、特に1920年代から1930年代にかけて多大な影響を与えた撮影技師です。彼の手掛けた作品は、国内外で高く評価され、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。彼の業績は、日本映画の発展と革新の一端を担ったといえるでしょう。

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