野球クイズ一発逆転

野球クイズ一発逆転



野球クイズ一発逆転』(やきゅうクイズいっぱつぎゃくてん)は、1980年4月6日から同年9月28日まで、現在のテレビ東京である東京12チャンネルにて毎週日曜日の午前11時から11時30分までの30分枠で放送されていた、ユニークなクイズ番組です。

概要



この番組は、日本の国民的スポーツである野球を題材としたクイズ番組でした。番組の進行は実際の野球の試合形式にならっており、出題されるクイズの多くも野球に関連するもので構成されていました。毎回のように著名な野球評論家をゲストとして招くなど、徹底的に野球の世界観を強く打ち出していたのが特徴です。司会は、俳優の山内賢が担当しました。

番組がスタートした1980年4月6日は、この番組の直後に「ジョギングクイズ」が開始されたほか、同時刻にはテレビ朝日で「家族対抗!!芸能クイズ」が、さらに正午からはTBSテレビで「日本縦断クイズ合戦」がスタートするなど、関東地方ではこの時間帯に一挙に4本もの新たなクイズ番組が開始されるという、クイズ番組競争が激化した時期でした。

しかしながら、「野球」という明確なテーマを掲げていたにも関わらず、後述のルールがやや複雑であったことや、裏番組として放送されていた日本テレビの『スター誕生!』やTBSテレビの『オーケストラがやって来た』といった人気番組に視聴率で大きく引き離されたことが影響し、番組はわずか半年で終了することとなりました。

ルール



番組の出場者は、一般からの参加者4名で構成される2つのチームでした。特に義務付けられていたわけではありませんが、ほとんどの出場者が野球のユニフォームを着用して参加していました。

番組はまず、オープニングクイズとしてゲストに関連する問題が出題され、これに正解したチームが先攻となりました。クイズは全4イニング制で、最初の1イニング目から3イニング目までを「野球クイズ」、最終の4イニング目を「ホームランクイズ」という構成で行われました。

野球クイズ



まず、両チームから代表者が1名ずつ中央の解答席の前に立ちました。「攻撃側」(先攻チーム)の解答者が、用意された16枚の出題パネルから1枚を選択します。パネルには「野球」「スポーツ」「芸能」「一般」の4つのジャンルと、「ヒット」「二塁打」「三塁打」「ホームラン」の4段階の難易度(塁打数が多いほど問題が難しくなる)が設定されていました。

出された問題に対しては、早押しで解答権を得る方式でした。先に早押しした解答者が不正解だった場合、解答権は相手チームに移ります。そして、正解または不正解によって、ランナーの進塁、アウトカウント、そして解答者の交代が以下のように行われました。

攻撃側が正解した場合: 攻撃側のランナーは、選択したパネルの塁打数だけ進塁します。攻撃側の解答者はそのまま解答を続け、守備側の解答者が交代します。
守備側が正解した場合: 守備側の解答者はそのまま解答を続けます。攻撃側はアウトカウントが1つ増え、攻撃側の解答者が交代します。
双方とも不正解、または誰も解答しなかった場合: 両チームの解答者が交代し、攻撃側はアウトカウントが1つ増えます。

その他は実際の野球と同様に、ランナーがホームベースに帰還すれば得点として加算され、3つのアウトを取ると攻撃と守備が交代します。イニング終了時に塁上に残っていたランナーは、そのまま相手チームのランナーとして引き継がれました。

ホームランクイズ



最終イニングで行われるのが「ホームランクイズ」です。ここでは、司会の山内が出題する野球に関する非常に難易度の高い問題に、チームメンバーが1人ずつ順番にリレー形式で答えていきました。このイニングで最初に解答権を得るのは、それまでの合計点が少ないチームでした。

このクイズでは、チームの何人目が正解したかによって獲得できる点数が変動しました。

1人目で正解: 「満塁ホームラン」となり、4点獲得
2人目で正解: 「3ランホームラン」となり、3点獲得
3人目で正解: 「2ランホームラン」となり、2点獲得
4人目で正解: 「ソロホームラン」となり、1点獲得

もし4人目の解答者でも正解できなかった場合は、それまでの得点が全て没収され、最終得点は0点となってしまうという、まさに「一発逆転」の可能性があるルールでした。

こうして最終的に多くの点数を獲得したチームが優勝となり、豪華な賞品が贈られました。獲得した点数は、1点あたり1万円として賞金にも換算されました。

エピソード



番組では一度、タレントの榊原郁恵が率いる草野球チーム「ラスカルズ」と、歌手の野口五郎が率いるチーム「ゴローズ」が対戦したことがあります。ただし、榊原郁恵野口五郎本人は、スケジュールの都合で本戦のスタジオ収録には参加せず、事前に別撮りされた応援メッセージという形で登場しました。

関連項目



プロ野球ニュース:1989年のオフシーズンに、この番組と同じ形式のクイズ企画が放送されたことがあります。ただし、その企画におけるルールは番組オリジナルのもので、出場者はプロ野球選手でした。

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