野田・福島の戦い (1570年)

野田・福島の戦いについて

概要

野田・福島の戦いは、元亀元年（1570年）8月26日から9月23日まで行われた戦闘で、織田信長軍と三好三人衆軍が衝突しました。この戦いは、後の石山合戦に繋がる重要な布石と位置づけられています。

開戦の経緯

永禄11年（1568年）、織田信長が足利義昭を擁して京都を奪還し、三好三人衆を追放しました。これに対抗する形で三好三人衆は、永禄12年（1569年）に本拠地から畿内に進出し、本圀寺の変を起こしましたが、敗れます。それでも彼らは信長打倒の機会を伺い続けていました。

元亀元年6月、信長軍の主力が撤退した隙をついて、三人衆は池田勝正の追放を図り、挙兵します。その後、彼らは野田と福島に城を築き、石山合戦に備えました。三人衆は浅井長政や朝倉義景、本願寺と密接に連携を取っていたとも言われています。

戦いの展開

三人衆軍は7月21日に整備した野田城と福島城から古橋城を攻撃し、数日後には信長もこれに応じ、軍を展開しました。信長軍が岐阜を出発する一方で、三人衆には新たな援軍が到着し、両軍の緊張が高まります。

信長軍は野田城・福島城の対岸に砦を築き、天王寺に本陣を置きました。一方、三人衆軍も古橋城攻撃を皮切りに応戦します。信長軍は進攻戦の結果、次々と城を落としていきましたが、三人衆の守りも堅く、簡単には攻め落とせませんでした。

8月には、戦局を有利に進めるため、信長は雑賀衆や根来衆の連合軍を取り入れ、双方の兵力が増強されます。戦闘は激化し、鉄砲を用いた攻撃が多く見られるようになりました。この戦いでは、集団的な鉄砲の使用が目立ち、戦の様子を一変させました。特に三好三人衆軍と織田軍による銃撃戦は、記録に残るほどの激しいものでした。

石山本願寺の介入

また、石山本願寺の顕如が参戦し、状況は急変します。顕如の軍が三人衆に加わることで、士気が上がり、形勢が逆転しました。顕如の策略により、織田軍は次第に厳しい状況に追い込まれます。

戦後の情勢

最終的には信長軍の撤退が決まり、戦は終息します。その後、三人衆と細川連合の兵たちが動き出し、新たな戦局を形成します。戦後、信長は彼らとの和平を模索し、12月には和睦が成立します。これにより、三好や本願寺、浅井、朝倉らは一時的に連携を強化し、信長に対抗する体制を整えました。

意義と影響

この戦いは、戦国時代の混乱を象徴するものであり、戦闘の展開や結果がその後の日本の歴史に影響を与えました。また、鉄砲を用いた戦術が注目され、後の戦争の方法に新たな視点を提供しました。これにより、日本の軍関係、政治体制が深化していくことになり、戦国の動乱が続くこととなります。この戦いの記録は、歴史的な資料としても貴重な意義をもっています。

参考文献

• - 日本城郭大系
• - 戦国合戦史研究会 編『戦国合戦大事典』
• - 熱田公『天下一統』
• - 織田信長総合辞典

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