野田卯一

野田 卯一（のだ ういち）について

野田卯一は、1903年に岐阜県岐阜市で生まれ、1997年に93歳で他界した日本の政治家です。彼は、池田勇人や福田赳夫と並んで「大蔵省の3田」として知られ、大蔵省での重職を多く歴任しました。彼の人生や業績、家族について深く探ってみましょう。

幼少期と教育

野田は岐阜の政治家、一族の中の五男として生まれました。彼の教育は岐阜中学校を経て、第一高等学校に進学し、1927年には東京帝国大学法学部法律学科（英法）を卒業しました。在学中には、高等試験の行政科と司法科に合格し、その後大蔵省に入省しました。

大蔵省でのキャリア

大蔵省に入省後、野田はさまざまな役職を経験しました。彼は浜松税務署や松戸税務署での業務を経て、為替局総務課、興亜院経済部、総務局の要職を経て、最終的には大蔵次官にまで上り詰めました。

1949年には日本専売公社の副総裁に就任し、その後自由党から第2回参議院議員通常選挙に立候補し当選を果たします。1951年からは建設大臣兼北海道開発庁長官として内閣に入閣し、さらに1952年からは行政管理庁長官も兼任しました。1953年の第26回衆議院議員総選挙では、岐阜1区から当選し、以後の選挙でも連続当選を続けました。

野田は政治の流れの中で池田派に身を置いていましたが、1966年には自民党総裁選に出馬し、反佐藤の態度を示しました。その後しばらく無派閥で活動し、最終的には福田派に参加します。1976年には三木改造内閣で経済企画庁長官に任命され、経済政策に寄与しました。しかし、1979年の衆議院議員総選挙で落選し、名実ともに政界を引退しました。

個人的な逸話と栄典

野田卯一は、在職中に妻に1603通の手紙を送ったことが「ギネスブック」日本語版において「同一人物に世界一多く手紙を書いた人物」として記録されていました。彼は妻の病床を支え続け、その手紙は後に自費出版された全25巻の著作となりました。

1966年には聖徳学園短期大学の名誉学長に選ばれ、教育界にも貢献しました。また、彼は1986年に勲一等旭日大綬章を受章し、その業績が評価されています。

家族

野田卯一の家族には、多くの著名人がいます。妻の光は実業家の島徳蔵の次女で、一男の稔は東大を卒業し、新日鉄に勤務、その後、稔の長女の聖子は衆議院議員として活躍しています。聖子の弟や従姉妹も秘書として活動しており、政治の世界で続く家族の伝統を示しています。

まとめ

野田卯一は、その政治活動を通じて日本の経済や政策に大きな影響を与えた重要な人物でした。その生涯を通じての業績は、彼の子孫にもしっかりと引き継がれており、今もなお多くの人々に影響を与えています。

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