野田山

野田山：金沢市街を望む歴史と文化の地

野田山は、石川県金沢市の中心部からほど近い場所に位置する山です。標高は175.09mで、山頂近くには国土地理院の三等三角点があります。山頂からは金沢市街を一望でき、市民の憩いの場となっています。

野田山墓地：歴史を刻む墓所

野田山の北側斜面には、広大な野田山墓地が広がっています。この墓地は、1587年に前田利家が兄である利久を葬ったのが始まりとされています。その後、利家自身もここに葬られ、前田家の墓所となりました。江戸時代には、加賀藩の藩主であった前田家の墓所として、会津藩のものに次ぐ規模を誇りました。

現在、野田山墓地はおおむね前田家墓所、市営墓地、戦没者墓地の3つのエリアに分かれています。

前田家墓所

前田家墓所には、加賀藩の藩主やその家族、殉死者などが埋葬されています。2009年には、富山県高岡市にある前田利長墓所と合わせて、「加賀藩主前田家墓所」として国の史跡に指定されました。

市営墓地

市営墓地は金沢市が管理しており、島田一良、銭屋五兵衛、室生犀星、鈴木大拙など、金沢ゆかりの著名人もここに眠っています。近年、金沢を離れた人たちの先祖の墓が無縁墓となるケースが増加しており、調査が進められています。

戦没者墓苑

戦没者墓苑には、戊辰戦争から太平洋戦争にかけての戦没者が埋葬されています。主に陸軍関係者が中心ですが、日露戦争のロシア人捕虜もこのエリアに葬られています。1962年からは石川県が管理しています。

尹奉吉碑

上海天長節爆弾事件を起こした朝鮮人独立運動家、尹奉吉（ユン・ボンギル）の慰霊碑も、野田山にあります。処刑後、その遺体が埋められていた陸軍墓地通路近辺に、在日韓国人によって設けられました。慰霊碑では、在日本大韓民国民団によって追悼式が行われています。

野田山三角点古墳：古代のロマン

三角点が立つ微高地は、「野田山三角点古墳」に指定されています。直径42mの円墳で、北加賀では最大級の規模を誇ります。古墳の年代を特定する遺物は発見されていませんが、墳丘の形状から、4世紀頃に築造されたと考えられています。

周辺情報

野田山の麓には、大乗寺という寺院があります。また、近隣には長坂二子塚古墳という前方後円墳もあります。

野田山は、豊かな自然と歴史、文化が調和した場所です。金沢を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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