野矢駅

野矢駅：久大本線最高地点の駅

大分県玖珠郡九重町大字野上に位置する野矢駅は、九州旅客鉄道（JR九州）久大本線沿線にある駅です。標高543mという久大本線の中でも最も高い地点にあり、駅構内にはその標高を示す標識が設置されています。周囲は小さな集落が広がり、静かで自然豊かな環境に抱かれた駅と言えるでしょう。

歴史と変遷

野矢駅は、1926年（大正15年）11月26日、大湯線（現在の久大本線の一部）の北由布駅（現在の由布院駅）から当駅間の開通に伴い開業しました。その後、1928年（昭和3年）10月28日には大湯線当駅から豊後中村駅間が開通、路線網が拡大していきました。

開業当初は貨物や荷物の取扱いも行っていましたが、1962年（昭和37年）10月1日に貨物取扱いが廃止され、1971年（昭和46年）2月20日には荷物扱いも廃止されました。現在の駅舎は1984年（昭和59年）に建設された比較的新しいものです。

国鉄分割民営化後の1987年（昭和62年）4月1日には九州旅客鉄道が継承。そして1992年（平成4年）7月15日には、特急列車「ゆふ」の高速化工事に伴い、交換設備が設置されました。これにより、現在の相対式ホーム2面2線の駅構造となりました。なお、久留米方面の島式ホームの反対側にも線路は敷設されていますが、現在では使用されていません。ホーム間の移動は構内踏切を利用します。現在では、特急列車「ゆふいんの森」の交換などに使われています。

駅構造と利用状況

野矢駅は無人駅で、簡素ながらもトイレが設置された駅舎があります。かつては多くの利用者があり、1965年（昭和40年）度の乗車人員は96,936人に上り、手荷物や小荷物の取扱いも行われていました。しかし、近年は利用客数が減少しており、2015年（平成27年）度の乗車人員は2,444人となっています。これは、自動車の普及や人口減少といった社会情勢の変化を反映していると言えるでしょう。

一日平均乗車人員は、年間乗車人員をその年度の日数で割った数値です。 定期券利用者と定期券以外の利用者の割合も、過去と現在で大きく変化しています。

駅周辺環境

野矢駅の周辺は、比較的小さな集落が点在する、静かな環境です。駅から約0.5kmの地点には国道210号が通り、駅前には大分県道710号田野野上線が通っています。公共交通機関としては、駅が中心的な役割を担っていると言えるでしょう。

隣の駅

野矢駅に隣接する駅は、久大本線で豊後中村駅と由布院駅です。これらの駅とを結ぶことで、久大本線沿線の地域を繋いでいます。

まとめ

野矢駅は、久大本線の中でも特に高い標高に位置し、歴史と自然を感じさせる駅です。無人駅であるものの、地域の交通の要として、そして久大本線の中でも独特の雰囲気を持つ駅として、これからも存在感を保ち続けることでしょう。周辺の自然を満喫しつつ、列車の到着を待つ時間は、旅の思い出となる特別な時間と言えるかもしれません。

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